この度カリフォルニア州において、５名以上のスタッフがいる職場では、スタッフ全員に対してセクハラ防止トレーニングを提供するよう義務付けられました。該当する企業ではトレーニングを２０２０年１月までに実施しなければならないとされています。これまでカリフォルニア州では、５０名以上の従業員のいる企業のみ、スーパーバイザーに対して２年に一度のセクハラ防止のトレーニングが義務付けられていました。今回の法律により、トレーニングを実施しなければいけない職場はかなり広範囲に広がるかと思われますので、是非早めにご準備されることをおすすめいたします。
現在、セクハラ防止トレーニングの州法があるのは、カリフォルニア州、ニューヨーク州、メイン州、コネチカット州となっています。「ニューヨーク州セクハラ防止トレーニングの義務化」という記事でもご紹介させていただいた通り、ニューヨーク州ではセクハラ防止トレーニングの実施は１０月９日から義務付けられています。この州法により、ニューヨーク州にあるすべての企業は全従業員に対して一年に一度セクハラ防止トレーニングを実施しなければいけません。
こうした動きは、昨年秋よりエンターテインメント会社、メディア会社の重役によるセクシャルハラスメントによる訴訟やスキャンダルが大きな後押しをしているかと思われます。特に、被害者達が「もう泣き寝入りしない」と、ハッシュタグ「＃Me Too」（私も）をつけてSNS等で告発の投稿を寄せたり、「＃Me Too」と書かれた横断幕やボードを掲げて街をデモ行進したり、街頭演説をしたりするなどのニュースが大きく報道されたことが大きなきっかけになっているようです。
さて、このセクシャルハラスメントの問題は最近急に発生した問題ではありません。なぜこれまで被害者たちはすぐに被害を訴えたり、社内の人事などに報告をしてこなかったのでしょうか？被害を受けた人たちは会社の人たちに相談しても、「自分の話を信じてもらえないのではないか」「誰に相談したらよいかわからない」「報復を受けるのではないか」「昇進にひびくのではないか」等々、泣き寝入りをしたり、どのように対処したらよいかわからなかった人も多かったかと思います。一方、企業はセクシャルハラスメントで提訴された場合、多大な賠償金支払う等大きな損害を被ったケースも実際に起こっています。
セクシャルハラスメントのクレームはまずEEOC（Equal Employment Opportunity Committee)に提出され、調査されますが、２０１８年にEEOCに寄せられたクレーム件数は前年に比べ１２％アップされたと報告されています。セクハラ防止トレーニングでは、セクシャル・ハラスメントの定義、ケーススタディなどを従業員全員が学ぶ機会となります。正しい知識を身につけることによって、より健全な職場環境を築くこととなります。
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