※2023年12月24日更新
配偶者のアメリカ駐在が決定した場合、日本で仕事をしている方はキャリアを中断してまで一緒に海外へ行くべきかどうか悩まれる方も大勢いらっしゃるかと思います。かつて海外駐在といえば、男性社員が「専業主婦の妻」を帯同するという形が一般的でした。
ですが、時代の変化と共に海外駐在事情も変わってきています。特に女性の働き方の多様化にともない、共働き夫婦が当たり前の時代になり、女性の仕事に対する意識は年々高まっています。
今回の記事では、パートナーの駐在に同行する際の駐妻や駐夫である帯同者のキャリアについて考えていきます。
駐在帯同者が働くメリット
駐在帯同者が働くことには、以下のようなメリットがあります。
日々の生活にやりがいやメリハリがうまれる
駐在帯同者にありがちな悩みとして「日中、暇を持て余してしまう」ことがよくあげられます。駐在帯同者が家事専業になると、仕事という社会との繋がりがなくなってしまいます。また、慣れない海外という環境ではママ友・パパ友なども作りづらい方もいらっしゃるようです。
そのため、パートナーが働いている間は家で孤立してしまうことも。さらに、お子さんがいらっしゃらないご家庭ですと、家事にかかりきりになることもないため、暇を持て余してしまいます。1人で何もしない時間が増えることで、生活にハリのなさを感じる人も少なくありません。
仕事に就いて、達成感や、やりがいが得られるようになれば、日々の生活にもハリが出て充実感を感じられるようになるでしょう。また、職場で新しい人間関係を作ることにより、自分の世界を広げることもできるようになります。
キャリアを継続できる
キャリアを継続できる点も駐在帯同者が働く大きなメリットの1つです。駐在員は、通常、赴任後数年で帰国します。その際、駐在帯同者が配偶者の駐在期間に働いておらず、キャリアブランクが長くなると、帰国後の再就職が不利になってしまう可能性が高くなります。
また、駐在帯同の間にキャリアが完全にストップしているとメンタル面でも、社会復帰への不安が大きくなってしまいがちです。帰国後のキャリア形成のためにも、ブランク期間を減らすのは大変有効だといえます。
下記は総合不動産・リロケーションサービス会社のRelo Redac, Inc.が駐在帯同家族518名を対象に実施した「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」より、駐在帯同者の渡米前と渡米後の就業率を表しているグラフです。渡米前は8割以上が就業しています。渡米後も割合は減っていますが4割の方がキャリアを継続して就業しているのがうかがえますね。
Relo Redac, Inc.「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」より
経済的に自立できる
通常、駐在員の家庭には、海外赴任手当や配偶者手当が支給されることが多いため、基本的には生活するのに十分な収入があります。ですが、駐在帯同者が仕事をすることで「経済的に自立できる」点は大きなメリットといえます。渡航先の生活で、パートナーの収入に頼ることになると、好きなものを買ったり、美味しいものを食べたりするのに抵抗が生じてしまう方もいらっしゃるようです。このような理由から経済的な自立を望む駐在帯同者も多いようです。
また、会社から駐在手当がでていてもパートナーの海外赴任に帯同するために仕事を辞めてしまうと、世帯収入が減ってしまうこともあるようです。そのため、ご家庭の資産形成の面から、働いて収入を得たいと考える方もいらっしゃるようです。
アメリカ駐在に帯同される方が、ご自身もこの機会にぜひアメリカで働きたいとお考えの場合、様々な疑問や不安が出てくると思います。アメリカで働く際には、日本とは環境が異なるうえに、会社の規定やビザなど多くの制約があります。駐在帯同者の皆さまが、アメリカで働く際に事前に確認しておくべきポイントをまとめてご紹介します。
帯同者がアメリカで働くために確認すべき3つのポイント
1. ビザの種類の確認
アメリカで働くためには就労ビザが必須です。雇用主に対して入社する際に自らがアメリカで合法的に働く資格があることを示さなければなりません。そこで、まずは渡米前にご自身のビザの種類をきちんと確認し、アメリカで合法的に働くことが可能かどうかをしっかり確認しておきましょう。
駐在帯同者の皆さまが保有するビザとして多いのはL-2ビザとE-1、E-2ビザです。これらのビザについては、現在、以前の制度が改正され、その保有者は労働許可証(EADカード)を取得しなくても働くことが可能になりました
また、駐在ではなく配偶者の留学に帯同する場合などはビザの制約上、アメリカでの就労が認められないケースがあります。こうした場合にアメリカで働く一つの方法として、パートナーの留学に合わせて帯同者も同じく留学し、学業終了後、学んだことを活かして働く「OPT(Optional Practical Training)」という制度を活用する方法もあります。
上記のビザの情報は2023年3月のものです。ビザの状況やルールは変化することもあるので、必ず各自で最新の情報をご確認ください。
2. 配偶者の会社のルールの確認
会社によっては駐在帯同者の就労が認められていないケースがあります。在米日系企業の現状としては帯同家族の就労については主に下記の3つに別れるようです。
1帯同家族の就労を認めており、規定にもその旨を記載している。
2帯同家族の就労を認めておらず、規定にもその旨を記載している。
3最多!⇒ 帯同家族の就労についての規定は無く、グレーゾーン状態。
駐在帯同者の就労が認められている場合であっても、帯同者が就労すると、パートナーに支給される手当の減額が起こってしまったり、扶養として医療保険に加入していた場合に脱退する必要があるなど、何らかの影響が起きることがあります。あらかじめ会社のルールをしっかり確認しておきましょう。また、就労が認められていない場合でも、パートナーの勤める会社に交渉すれば、就労の許可が下りることもあるようです。
また、帯同者が日本で働いてる会社を休職して駐在帯同をされる場合、会社によっては休職中のルールとして、他の会社に所属して働くことが認められていないケースがあります。現在のお仕事を休職して帯同されるご予定の方は、ご自身の会社の人事担当に休職中のルールを確認しておきましょう。
ビザステータスや就業規定については下記のアンケート結果もぜひ参考にしてください。
Relo Redac, Inc.「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」より
3. 英語力はアップさせておきましょう!
アメリカで就職する場合、日系企業であっても、米国拠点では、取引先が現地企業であったり、社内の日本人以外のスタッフがいるなど、仕事上で少なからず英語を使用することがあります。必要とされる英語力は職務内容や企業により異なりますが、やはり英語力が高いほど就職活動において選択肢は広がる傾向にあります。渡米前からしっかり勉強しておきましょう。英語に自信のない方は帯同後しばらく現地の語学学校に通うのもおすすめです。
帯同者の就職活動
帯同者の方が現地で就職活動をされる場合いろいろな方法がありますが、特におすすめの方法をご紹介します。
インターネットでの地域の掲示板や新聞の活用
ニューヨークやカリフォルニアなど日本人が多く住む地域には日本語でインターネットに地域の情報掲示板が作られています。そうした掲示板には求人情報も掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。また、そうした地域では日本語の新聞や情報誌などを見つけることも可能です。新聞や情報誌にも求人情報が掲載されていることが多いので、ぜひチェックしてみてください。
人材紹介・派遣会社に登録
クイックUSAのようなアメリカの日系人材紹介・派遣会社に登録するのもおすすめです。登録すると無料で経験豊富なリクルーティング・コンサルタントが面談を実施、アドバイスを行ってくれます。他にも面接指導など丁寧にアドバイスし、内定が得られるまでサポートを行ってくれるので海外で働いたことがない方は心強く感じられると思います。クイックUSAでは勤務地や勤務時日数、希望の職務などを伺い、ご希望にあったご紹介可能な求人が発生した際には速やかにご紹介をしています。ご登録からお仕事の決定まで一切無料のサービスですので、ぜひ登録しておきましょう。
IndeedやLinkedInなどの活用
英語が得意な方はIndeedやLinkedInなどの活用もおすすめです。積極的に求人に応募してみるのもよいですし、とりあえず自分のレジュメなどを登録して、ご自身の希望にマッチした求人があればお知らせしてもらえるように設定するなどもよいですね。他にも、友人や知人を介してビジネス面での人脈ネット―ワークを構築するなど、使い方は人それぞれ多様ですが、アメリカで就職、転職活動をされるのであれば活用しない手はありません。
またコロナ禍の後、多くの企業でリモートワークなどが取り入れられ、働き方がよりフレキシブルになっています。特に育児に取り組まれている帯同者の方はそうした求人を探すのもよいですね。
ちなみに海外で働いた経験がないなどといった理由から海外で働くことに不安がある方は短期の派遣やインターンシップから始めてみるのもおすすめです。こうした仕事は未経験分野でも仕事を得やすいというメリットがあります。ご自身の新しい可能性を探る良いチャンスとなるかもしれません。
Relo Redac, Inc.が実施した「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」では、帯同者の理想の働き方や希望について、リアルなアンケート結果がありますので、ぜひ下記のグラフを参考にして、ご自身のキャリアについても考えてみてください。
Relo Redac, Inc.「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」より
Relo Redac, Inc.「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」より
働けない時にキャリア形成におすすめの方法
会社のルールなどにより、残念ながら海外での就職ができないときも、せっかくの海外生活の機会をムダにするのではなく、帰国後のキャリアに役立つ学びの時間にするのは大変おすすめの方法です。
この機会に現地での生活に即役立つ英語力アップをはかるために語学学校に通えば、生活にハリもでるし学校で友達を作って楽しい時間を過ごすこともできるようになります。
すでに英語力に自信のある方はキャリアアップのために資格に挑戦してみるのもよいでしょう。MBAやCPAなどはキャリアアップに大変有効ですが、どちらも難易度が高く、取得にはまとまった時間を勉強に費やす必要があるので、駐在帯同されている間に勉強することはとても良い方法です。
IT系に興味がある方はこの機会にITスキルアップの勉強をしたり、プログラミングを学んだりするのもよいでしょう。英語が苦手でも日本語のオンラインコースを受講するなどの方法もあるので、やる気があれば帯同期間に確実にスキルアップは可能です。またこうした日本語のオンラインコースを受講することにより、海外にいながら日本での資格取得のための勉強も可能です。ご自身に興味があり、今後のキャリアアップに役立つ資格について詳しくリサーチしてみることをおすすめします。
ビジネスだけではなく、海外にいる利点を生かして趣味と実益をかねて料理教室に通ったり、ヨガのインストラクターの資格をとるなどもよいですね。ニューヨークやカリフォルニアでは日本人の方が運営されている料理教室などもあるようです。
習い事には興味が無くても社会参加をしたいとお考えの方にはボランティアに参加するのをおすすめします。動物がお好きな方であれば犬や猫のシェルターでボランティアをしてみたりするのもよいですし、食事に困っている人に食事を届けるボランティアなどもあります。NPOやNGO、図書館などではそうしたボランティアを募集したりしている場合もあるのでぜひチェックしてみましょう。
今回は駐在帯同者のキャリアについて、働く前にチェックしたいポイント、お仕事の探し方、働けない時におススメの方法など様々なことをご紹介させていただきました。
せっかくの駐在帯同期間、充実感のある時間にしたいですよね。こちらの記事を参考に、キャリアを継続させたり、ご自分の興味があることや前からやってみたいと思っていたことに挑戦して、ぜひ楽しく充実した駐在帯同生活にしてください。
アンケートの出典:Relo Redac, Inc.「帯同家族の生活実態・意識調査アンケート」より
協力: Relo Redac, Inc.
リダック(Relo Redac, Inc.)は企業・人・資産のリロケーションのサポートを目指し、1986年にニューヨークで設立しました。2005年にリログループ(東証プライム上場)のグループ会社となり、以来、米国に進出される日本企業、駐在員、投資家の皆様のニーズにお応えするため、住宅の斡旋、オフィス設営や不動産投資、コンサルティング等の総合不動産サービスを全米で提供しています。
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業界 : Service
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給与 : $21/hr. – $22/hr.
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業界 : Trading
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業界 : NPO
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