2025年が始まりました。新しい年の始まりは、将来の職業的な目標や成長を明確にするための道しるべとなるキャリアプランを立てるのに絶好の機会です。現代は働き方が多様化し、仕事や働き方における将来的な計画をするためにキャリアプランの重要性がますます高まっています。またキャリアプランは就職や転職活動の面接でもよく質問される重要項目です。今回の記事では、キャリアプランを立てる際のコツや面接で聞かれるキャリアプランに関する質問例などキャリアプランについて幅広くご紹介します。
キャリアプランとは
キャリアプランとは、将来の仕事や働き方の理想を明確にして、その計画を立てることをいいます。これには、スキルの習得や昇進などの短期的な目標から希望する役職への就任や業界内での起業などの長期的な目標までが含まれます。理想の将来像を叶えるために必要なスキル・経験は何かを考えて具体的な計画を立てることで、いつまでに何をするべきかがはっきりします。
キャリアプランが重要とされる背景
現代の社会では、経済の変化や技術の進歩により、職業環境が絶え間なく急速に変化しています。そういった目まぐるしい環境の中で自分自身の方向性を明確に持つことは、キャリアの選択肢を広げ、変化に柔軟に対応していくために不可欠です。また、多様な働き方が普及している現在、個々のライフスタイルや価値観に合ったキャリアを選択するためには、自分自身の目標やビジョンを明確にする必要があります。
キャリアプランを立てるメリット
- 目標の明確化とモチベーションの向上
キャリアプランを立てることで、自分の目標や達成したい姿を具体的に描けます。そのため日々の行動や選択が目標に向かって一致しやすくなります。また、目標が明確になると、意欲が高まりモチベーションを維持しやすくなります。
- 効率的な時間とリソースの活用
キャリアプランを持つことで、学ぶべきスキルや経験がはっきりし、無駄な努力を減らして効率的に成長できます。
- リスク管理がしやすい
プランを立てる中で、予想されるリスクや障害を考慮できるため、事前に対策を練りやすくなります。また計画に基づいて進捗を確認できるため、自分の成長を把握しやすくなり、自己肯定感が高まります。
- 長期的な成功を目指せ、自己理解も深まる
短期的な目標だけでなく、長期的なキャリアの方向性も視野に入れることで、不測の事態にも柔軟に対応でき、持続可能な成功を築けます。また、キャリアプランを考える過程で、自分の強みや弱み、価値観を見つめ直す機会が得られ自己理解が深まります。
面接でよく聞かれるキャリアプランに関する質問例
企業の面接では、応募者の目標や価値観を理解するために、採用担当者から以下のような質問が投げかけられることがあります。
- 5年後、10年後のキャリア目標を教えてください。
- このポジションでどのようなスキルを伸ばしたいと考えていますか?
- あなたの将来の目標は何ですか?
- 会社のビジョンとあなたのキャリアプランはどのように一致していますか?
これらの質問は、全てキャリアプランに関する質問です。こうした質問は面接官が応募者の以下のような点を見極めるために投げかけられます。
・仕事に対する価値観や向上心を把握したい
・目標設定力、実行力、達成力のある人材かどうか
・候補者のビジョンが自社の方向性と合っているか
面接にのぞむ際は、これらの質問に対して、自身のキャリアプランを的確に説明できる準備をしておくことが重要です。
企業の採用面接ではキャリアプランを思い描くだけでなく、達成へ向けて実際に行動ができているかも問われます。また、企業はやはり採用する人材に対して自社への貢献を求めているので、お互いのビジョンの方向性がマッチしている場合、もしくは企業をよく研究してマッチさせている場合は、自社で働くことに対する熱意や志望度が高く、自社により貢献してくれると採用担当者は期待します。
将来にどのようなキャリアプランを描き、どう計画して実行するかは、人によって異なります。だからこそ、キャリアプランを持っているか否かを含め、キャリアプランには個人の特徴や仕事観が見えやすいとも言えます。
SMARTの原則を活用してキャリアプランをたてよう
キャリアプランを立てる際に、1981年に経営コンサルタントジョージ・T・ドラン(George T. Doran)によって提唱されたSMARTの原則を使うことをおすすめします。SMARTの原則は、効果的な目標設定を行うためのガイドラインで、以下の5つの要素の頭文字を取っています。このフレームワークを使うことで、目標を明確で達成可能なものにすることができます。
- Specific(具体的にする)
目標を「マーケティングスキルを向上させたい」ではなく、「3か月以内にデジタルマーケティングの資格を取得する」など明確かつ具体的に設定します。抽象的な表現ではなく、何を達成したいのかを具体的に言葉にするのがポイントです。
- Measurable(測定可能にする)
「知識を増やす」ではなく、「1か月で関連書籍を3冊読む」など目標が達成されたかどうかを判断するための基準を設けます。数値や成果など、進捗を測れる指標が重要です。
- Achievable(達成可能であること)
自分の現状やリソースを考慮し、現実的で達成可能な目標を設定します。例えば「半年以内にマネージャーになる」というハードルの高い目標ではなく、「次のプロジェクトでリーダー役を務める」など無理のない範囲で挑戦的な内容にするのがポイントです。
- Relevant(関連性がある)
目標が自分のキャリアゴールや価値観と関連しているかを確認します。例えば将来的に国際的な仕事を目指しているなら、「TOEICのスコアを750点以上にする」といった自分の長期的な目標に貢献するものである必要があります。
- Time-bound(期限を設ける)
「いつかリーダーシップスキルを向上させる」ではなく、「6か月以内にリーダーシップのトレーニングを受講する」など明確な期限を設けることで、目標達成に向けて行動を計画的に進められるようになります。
キャリアプランを立てるコツ
- 自己分析を行う: 自分の強み、弱み、興味、価値観を理解する
自己分析のために、過去の成功体験や失敗経験を振り返りましょう。例えば、「どんな場面で自分の力を発揮できたか」「苦手な作業は何か」を具体的に書き出します。また、職務経歴書の作成や自己診断ツール(ストレングスファインダーなど)を利用すると効果的です。他者からのフィードバックも参考にし、自分では気づかない特徴や長所を見つけましょう。これにより、自分に合ったキャリアの方向性が見えてきます。
- 情報収集をする: 業界の動向や職種の将来性を調査する
業界のトレンドを把握するため、ニュースや業界誌、リサーチレポートを活用します。また、関連するセミナーやウェビナーに参加して専門家の話を聞くのも有効です。職種ごとの成長率や平均給与を調べたり、LinkedInで同職種のプロフェッショナルのキャリアパスを確認することで、具体的な将来像を描けます。さらに、ネットワークを活用して、実際にその業界で働く人に話を聞くと現実的な情報が得られます。
- 小さな目標から始める: 短期的な目標を設定し、徐々に大きな目標に向かう
「1週間以内に業界に関する記事を3つ読む」や「3か月以内に資格試験に申し込む」といった小さな目標を設定し、達成するごとに次の目標を作りましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションが維持しやすくなります。また、目標を達成するたびに進捗を記録し、自分の成長を実感することも大切です。このようにステップを細分化することで、大きな目標も現実味を帯びます。
- 柔軟性を持つ: 環境の変化に応じてプランを見直す
環境や自身の状況が変わった場合に備え、定期的にキャリアプランを見直しましょう。例えば、半年ごとに目標の進捗状況を確認し、必要に応じて調整します。プランが思い通りに進まない場合は、「現在のスキルを活かせる別の分野に挑戦する」といった代替案を考えることも重要です。柔軟な姿勢を持つことで、予期せぬ機会や変化を前向きに受け入れられます。
キャリアプランの例 年代別・職種別
キャリアは重ねていくうちに、環境や自分も次第に変化していくためアップデートが必要です。年代や性別などに即したキャリアプラン作成のためのポイントと具体例をご紹介します。
【20~30代前半のキャリアプラン】
20~30代前半の若手の時期は、経験やスキルがどんどん増える時期ですから、専門知識を深めること重要です。また短期スパンでキャリアプランの見直しを行い、プランをブラッシュアップすることをおすすめします。途中でプランが変更になる可能性はありますが、長いスパンで自分の理想を見据えていれば軌道から外れても修正しやすく、自分の成長や変化も把握でき、モチベーションを保つのに役立ちます。
キャリアプラン例
- 2年以内に○○の資格を取得し、ITの知識を向上させる
- 売り上げを伸ばすために人脈を広げ、3年後にトップの成績を目指す
- 10年後、多様に活躍できる人材になるため、社内制度を用いて○○部に異動して経験を積む
【30代後半~40代前半のキャリアプラン】
30代後半~40代前半の社会人として業務や会社に慣れた中堅層は、1人で一通りのことがこなせるようになっている状況です。現在の専門スキルを更に磨いて專門職でやっていくのか、管理職になるかでやるべきことや必要なことが変わってきます。これまでの経験を活かしつつ、その先に望むステージまで考慮したキャリアプランが必要となります。
この際のキャリアプランは自分や自社だけでなく、業界のトレンドや先行きなども視野に入れて考えていくことをおすすめします。自己分析をする際には、その時点でのご自分の的確な市場価値を把握しておくことも重要です。今までの経験や強みを活かせる、そして、今の自分に必要な学びや経験を満たす職務や企業を求めていきましょう。
キャリアプラン例
- 営業部のリーダーとして部下の信頼を得て統括できる立場につく
- 技術職の専門性を高めつつ経験を重ねプロフェッショナルになる
- 転職をして自身の能力をさらに発揮できる環境に身を置く
【40代以降のキャリアプラン】
ベテランとなる40代はキャリアのピークに向けて、専門性やリーダーシップを活かす時期となります。キャリアプランを立てる際には組織内でのポジションや評価を見直し、自分の専門分野での強みと、さらに伸ばすべきスキルを確認しましょう。リーダーシップ研修やMBA取得など、管理職としての能力を磨いたり、業界内外での人脈を広げ、新たなキャリア機会を模索するのもおすすめです。また家族との時間を確保しつつ、仕事での成果を最大化する方法を考えることも重要です。
50代、60代となると、これまでの経験をいかして事業を推進する、後進育成に尽力するなどのキャリアプランが考えられます。また、役職定年や早期退職といったことも視野に入れつつ何が起きても対応できるようにキャリアプランを立てることが大切です。近年では高齢化に伴い70歳を超えても現役で働く人がいる時代です。自分がこれまで培ってきた豊富なスキルを活用する方法をかんがえたり、新たな分野で挑戦するといった選択肢も考えられます。
キャリアプラン例
- 社内のシステムを見直し、新たな体制を構築し3年以内に売り上げ2倍を達成する
- これまで培ったスキルや経験を若手社員に伝え企業の後身育成を図る
- 2年以内に早期退職して起業する
- 定年まで今いる会社に勤務し、再雇用制度を活用し70歳まで働く
【女性のキャリアプラン、避けて通れない結婚や出産】
結婚や出産をしても仕事を続けてキャリアを築きたいと思っている女性は、あらかじめキャリアプランに結婚や出産を含めておくと安心です。
「結婚・出産しても今の会社で働き続けることは可能なのか?」「どれくらい育休が取れるのか?」「職場に復帰後は自分はどのような働き方をしたいのか?」などを考えて、リサーチしながらプランをたてましょう。復帰や仕事と家庭の両立の選択肢は多様にありますが、企業によって待遇や人事制度などの条件が異なってくるので、その点を踏まえた、キャリアプランの作成がポイントとなります。
自分の会社に結婚・出産をしてキャリアを築いている方がいれば、ぜひ、その方にお話を聞いてみるのをおすすめします。
キャリアプラン例
・育休を取得し復職後は在宅勤務や時短勤務を活用する。
・家庭が落ち着いたタイミングで○○の資格を取得する
・スキルをみがき経験を十分に積んだ後はフリーランスに転向し、柔軟な働き方で収入とさらなる経験を得る。
ワークライフバランスに興味のある方はこちらの記事もおすすめです!
アメリカの働く親必見!ワークライフバランスを実現するための秘訣
キャリアプランを進めていくうえで活用できる制度など
キャリアプランを実現するためには、自身の努力だけでなく、企業や社会が提供する制度を活用することが重要です。以下では、成長やライフイベントに対応できる8つの具体的な制度をご紹介します。
- 研修・教育制度
企業や業界団体が提供するスキルアップのための研修やセミナーを活用します。リーダーシップ研修や語学講座、デジタルスキルの習得プログラムなどがあり、オンライン形式の研修も増えています。新しいスキルを学ぶことで、昇進やキャリアチェンジの可能性が広がります。計画的に参加し、自分のキャリアプラン達成に直結する内容を選ぶことが重要です。
- 資格取得支援制度
資格取得のために、受験料補助や勉強時間の確保を支援する制度です。TOEICや簿記、PMPなど職種に応じた資格を対象とする企業が多く、内部で試験対策講座を提供している場合もあります。制度内容を確認し、自身のキャリアプランに適合する資格がある場合は、この制度をぜひ活用してみましょう。
- キャリアコンサルティング制度
専門家や社内アドバイザーと定期的に相談できる制度です。キャリアの方向性や課題を整理し、自分に適した目標や計画を立てるために役立ちます。業界動向やスキルアップの具体的なアドバイスをもらえるため、行動に迷ったときの指針になります。企業が提供するもの以外にも、外部コンサルティングサービスを利用することも可能です。キャリアカウンセリングについて興味のある方は、ぜひこちらの記事をご参照ください。
アメリカでの就職、転職活動にキャリアカウンセリングがおすすめな理由。
- 育児・介護支援制度
育児や介護をサポートするための制度です。育児休暇や介護休暇、時短勤務、企業内託児所の利用などが一般的です。これらは特に女性や介護世代の社員が活用しやすい制度で、これにより、ライフイベントがあっても仕事を続けやすくキャリアプランを達成しやすくなります。家庭とキャリアの両立を目指すために計画的に制度を利用して、負担を軽減しましょう。
- 在宅勤務・フレックスタイム制度
近年はリモートワークやフレックスタイム制を導入する企業が増えています。通勤時間の短縮や働く時間帯の調整が可能になり、ワークライフバランスの向上に寄与します。家庭の事情やライフスタイルに合わせて仕事を進められるため、効率的なキャリア形成が可能となりキャリアプランを実現させるための助けになってくれます。
- 副業制度
また、近年は副業の許可や起業支援を行う企業も増加傾向にあります。これにより、新しい分野のスキルを学び、本業に還元することも可能です。また、副業が副収入やネットワークの拡大にもつながります。企業の規定を確認し、キャリアプランにそった自己成長やキャリアの多様性を目指して活用するのがおすすめです。
- メンター制度
経験豊富な先輩社員から直接指導や助言を受けられる制度です。仕事の進め方やキャリア形成の悩みについてアドバイスをもらい、自信を持って行動するための支援を得られます。特に若手社員やキャリアチェンジを考える社員にとって有効です。メンターとの関係を築き、長期的な視点でキャリアを考える機会にしましょう。
- 社内公募制度
異動や新しいプロジェクトへの参加を自己申告で希望できる制度です。他部署での業務経験を積みたい場合や新しい挑戦をしたいときに有効です。これにより、自分の適性を試し、スキルの幅を広げることができます。自ら行動してキャリア形成を進めたい人にとって、非常に魅力的な制度となっています。
今回は新年にふさわしくキャリアプランについて幅広くご紹介させていただきました。キャリアプランは、自分自身の未来を形作るための重要なツールです。しっかりと計画を立て、柔軟にプランを進めることで、自己実現と仕事の満足度を高めることができます。新年の始まりに自分のキャリアを見直し、未来にむけて、より明確なビジョンを描いてみてはいかがでしょうか?
参照
https://www.forbes.com/sites/carolinecastrillon/2024/03/21/how-to-approach-career-planning/
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