アメリカで働く人にインタビュー!第35回【ジョージア日米協会Executive Director 堂本和義さん】

アメリカではさまざまな分野で、たくさんの方が活躍されています。このコーナーでは、アメリカで働いている方に「ハタラク」楽しさや難しさなど、お話をお伺いしています。今回はジョージア州アトランタのジョージア日米協会Executive Directorとして活躍していらっしゃる堂本和義さんにお話を伺いました。

ジョージアで働く、ジョージア日米協会 Executive Director,  堂本和義さん

堂本和義さん
ジョージア日米協会
Executive Director

日本とジョージアの架け橋となって、良い関係を発展させていきたいです。

…堂本さんのお仕事について教えてください

私は現在、ジョージア州のアトランタにあるジョージア日米協会でExecutive Directorとして働いています。ジョージア日米協会は、日本とジョージア州の文化交流および相互理解の促進を使命とする501(c)(3)の非営利団体です。各国際機関や各種組織と連携し、国際文化や国際ビジネスへの理解が深まるよう日々活動しています。特に、日本人と地元ジョージアの人々、ジョージアの企業と日本企業、またジョージアの日系人家族とアメリカ人の家族とのパイプ役として大きな役割を果たしています。

ジョージア日米協会の設立について教えてください。

発足は1980年で、協会の目的としては下記の6つが定められました。①ジョージア州民の日本文化、社会、政治についての知識向上②日米関係の論争・問題点の解決③ジョージア州在住日本人の米国歴史、文化、生活についての知識向上④ジョージア州民に日本、日本人、および日本の生活習慣についての知識を伝え、ジョージア州在住の日本人との友好関係を促進⑤ジョージア州民と日本人に、美術、文学、文化についてなど、共通の関心ある話題について談論の場を提供⑥両国の相互理解に将来貢献するであろう大学生へのサポート、などです。

 

…ジョージア日米協会の会員はどのような方になりますか?

大きく分けると、企業会員と個人会員となります。ジョージア州にある企業や在住者となりますが、ノースカロライナ州など近隣にお住まいの方にも会員登録をされている方がいらっしゃいます。個人会員の方が多いこと、そして企業会員の内、約60%がコカ・コーラ社やデルタ航空など、日本と関わりのある米系企業であることも当協会の特徴かもしれません。

 

堂本さんのジョージア日米協会での役割を教えてください。

日本語で言うと私の役割は事務局長となります。日本とアメリカの交流をビジネス面、教育面、文化面でサポートする協会のミッションの責任者として統括しています。業務は、協会の運営、年間125件を超えるイベントやプロジェクトのマネジメント、会員促進など多岐にわたります。また、ソーシャルネットワークの促進、政府との連絡・交渉なども重要な役割となります。

 

…イベントとはどのようなものでしょうか?

大きなイベントとしては、「年次晩餐会」、「忘年会」の主催、「ジャパンフェスト」への協賛、「マイク・マンスフィールド賞」の授与などがあります。日米友好の架け橋とも言える日本のお祭り「ジャパンフェスト」はジャパンフェストインク、ジョージア日米協会およびジョージア日本商工会の共催で開催され、毎年2万人以上が訪れる大きなイベントです。

 

…その他ジョージア日米協会ではどのような活動をされているのでしょうか?

ジョージア日米協会では、ゴルフトーナメント、どなたでも参加可能、親睦を深めていただける「火曜日会」など年間約125件のイベント、プログラム、プロジェクトを運営しています。また、教育プログラムとしては、Asian-Pacific Children’s Convention(APCC)、Explore Japan Programなどの教育プログラムに従事しています。また、協会独自で10以上のレベルのリモートによる日本語クラスを年間4学期にわたって提供しており、語学交流として「日本語/英語会」なども提供しています。さらに、日本の文化や習慣を伝えるために地域の小学校、中学校、高校などに出向きプレゼンテーションを行ったりもしています。

 

 

…日本との関わりはありますでしょうか?

アトランタと福岡市は姉妹都市を締結しています。毎年7月にジョージアから姉妹都市である福岡市に10歳~11歳の子どもを選抜し親善大使としておくっています。日本の人たちとの交流を深めるとともにアメリカとは異なる文化を実際に体験して、国際的な視野を広げてもらう機会を提供させていただいています。

 

プロジェクトとしてはどのようなものがありますか?

日本とジョージア州は、経済、文化・教育的な交流などを通じて長い友好の歴史を共有しています。この両者の長期に渡る交流関係を記念して、ジョージア日米協会、ジョージア日本商工会、在アトランタ日本国総領事館並びにジェトロ・アトランタ事務所が協力して、カーターセンターにある平和の鐘を納める鐘楼堂を建設しました。この「平和の鐘プロジェクト」では、日本から大工さんを呼び、2年近くの時間を費やし鐘楼堂は建設されました。

 

…他にも印象深いプロジェクトはありますか?

私達はジョージアに暮している日本人の方から、日々アメリカで暮らす際の困りごとやお悩みなどのご相談も受けています。その中で、運転免許証を取得したいけれど試験が英語でわからないというご相談を受けていました。ジョージアでの生活では車はなくてはならない存在です。そこで、州にかけあって日本語でも試験が受けられるようにしていただきました。

 

堂本さんのご経歴について簡単に教えていただけますでしょうか

小学1年生まで日本で暮らした後、渡米しました。アトランタで大学を卒業した後、JETプログラムで大阪の高校へ派遣され、英語教師として2年間勤めました。工科高校でしたので、卒業後は製造業界へ就職する生徒や専門学校へ進学する生徒が多かったので、製造業でよく使われる英語の単語でしりとりゲームを作ったり、アメリカにまつわるトリビアのゲームを作ったりして、英語のクラスに興味をもってもらえるような楽しいクラスづくりの工夫をしました。

 

…日本での生活、お仕事はいかがでしたか?

生徒、先生、日本で新しくできた友達など、たくさんの出会いがありとても楽しかったです。日本のことを深く知ることができましたし、アメリカという国を外からの視点で見ることができました。また、仕事やプライベートの生活を通じて、個人的にも成長できた時期だったと思います。日本人の父とアメリカ人の母をもつ自分にとって、日本とアメリカの関係がさらに良くなるような架け橋のような存在になりたいと強く思いました。

 

…JETプログラムの後はどうされましたか?

ジョージアに戻ってきて仕事を探していたところ、ジョージア日米協会でプログラムコーディネーターを募集をしていることを知りました。ジョージア日米協会は学生の頃にずっとボランティアをしていてよく知っていましたし、日本とアメリカの架け橋となって、2国の間で良い関係を発展させていきたいという思いがありましたので、すぐに応募しました。

 

…これまで日本企業や駐在員の方と接してこられ変化などありましたか?

私は協会の設立時には勤務していませんでしたが、当時ジョージア州に進出している日系企業は55社ほどだったそうです。現在は約550社の日系企業がビジネスを営んでいますので10倍になっています。これらの日系企業はジョージア州におよそ37,000人の雇用をもたらしています。これまでの日系企業のトップというと日本人の駐在員の方が多かったかと思いますが、近年ローカルのアメリカ人がトップやマネジメント層で活躍されるようになりました。このことから、ジョージアの日系企業は長い歴史を経て、現地に溶け込んでいるように見えます。また日本からの駐在員は、以前と比べて若年層が増えているようにも思われます。若い頃に海外を経験することはとても良いことだと思います。

 

…堂本さんにとって仕事の喜びややりがいは何でしょうか?

ビジネス、文化、教育など様々な面での我々の活動やイベントを通じて、参加された方に笑顔で楽しんでいただけた時に喜びを感じます。また、人と人をつないだり、企業と企業をおつなぎしたりすることで、双方に喜んでいただけた時に大きなやりがいを感じます。生け花など趣味の団体のご紹介、企業のネットワークづくりなど、生活面、ビジネス面でサポートさせていただき、これからもお役に立つことができれば幸甚です。

 

…今後の夢や抱負について教えてください。

ジョージアと言うと、オリンピックが開催されたアトランタを思い浮かべる方が多いかと思いますが、ビジネス、居住、観光にも良い所がたくさんあるジョージアをより多くの人に知っていただく努力を続けていきたいと思います。言葉や文化の障壁を超えて、日本とアメリカのより良い関係づくりに尽力していきたいと思いますし、一人でも多くの方にジョージア日米協会に入会していただいたり、イベントに参加していただけるよう努めていきたいと思います。さらに、全米日米協会の中で、ジョージア日米協会をトップレベルの団体に成長させていきたいと思っています。

 

…夢を追い続けている人へメッセージをお願いします。

ビジネスでもプライベートでも人と人とのつながりが一番大切だと思います。一人でも多くの人と出会えば、チャンスはその分だけ広がります。相手の方と良好な絆を築くことができたら、誠意と思いやりをもってコミュニケーションをとられてください。たとえ異文化であってもお互いに理解し合えると思います。

 

 

【取材協力・お問合せ】
堂本和義さん
ジョージア日米協会
Executive Director
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【取材・文】
QUICK USA, Inc.
菰田久美子(Kumiko Komoda)
Email:quick@919usa.com


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