留学は人生の中で生涯忘れられない貴重な体験の一つになることでしょう。
このコーナーは、アメリカ留学を通じて得た様々な体験や感想を日本人留学生の皆様に伺うコーナーです。
楽しかった事や辛かった事など、海外生活や学生生活を通じて学んだことを写真を交えてお話していただいています。
感動の卒業式。お母様と一緒に記念撮影。
山野さんが留学されていた学校について教えてください。
私が住んでいるコロラド州は南北に走るロッキー山脈が有名です。自然が豊かで、ウィンタースポーツなどスポーツも盛んなため健康的な州としても知られています。8月に卒業したMETROPOLITAN STATE UNIVERSITY OF DENVER(MSU Denver)は1965年に創立された歴史のある大学でコロラド州の州都、デンバーにあります。ロッキー山脈の麓にあるため、大都市でありながら自然に囲まれた環境の良い大学です。MSU DENVER の特徴としては、働きながら大学に通っている社会人が多く、平均年齢は高めかと思います。社会経験をして大学に戻ってくる方も多いので、様々なバックグラウンドを持った人達と一緒に勉強することができました。
Student Main Building
どのようにして、留学先を選びましたか?
カリフォルニアの短大に通っていた時に、友人を訪ねてデンバーに旅行で来たことがありました。その時のコロラド州の印象がとても良く、大学へ進学するにあたってはデンバーの学校に決めていました。デンバーが好きになった理由としては2つあります。まず、自然豊かな美しい街だったこと。次にコロラドに住む人達の人柄がとても良かったことです。コロラド州の人はフレンドリーかつ表裏のない人が多いように思います。面識のない方と話をしていても、年齢、国籍などまったく壁を感じさせないので、自然な会話が弾みます。学校選びについては、良い学校に入学したいと思っていましたので私立でとても有名な大学に最初入学しました。とても良い学校ではあったのですが、学費が恐ろしく高額だったため、急いで州立の大学に転校しました。学費はあまり高くないけれど、質のよい教育を受けられるという条件で探した学校です。
コロラド州の観光名所の一つ、Garden of the Gods。
学校生活について教えてください。
学校の特徴でもありますが、インディビディアルディグリーといって、この学校では自分でメジャーをつくることができました。国際関係、社会学、犯罪学などを中心に興味のある分野のクラスをとりました。人権や国連の活動に関するクラスをとってからは、人権問題やNPOの活動、法律について興味が高まり、今では個人としてもとても関心の高いテーマとなっています。MSU Denverは他の大学、2校とキャンパスをシェアしているため、別の学校の授業もとることができました。自分の大学にはないクラスもありましたので、転校してよかったと思っています。MSU Denverに在学している留学生は120名くらいでした。アジア系の留学生は少なく、中近東、ヨーロッパ、アフリカ、南米など様々な国から留学生が来ていました。
キャンパスの中で、お気に入りの場所を教えてください。
大学構内に4階建ての駐車場があります。その駐車場の最上階から見る眺めが一番お気に入りの場所でした。西側にはロッキー山脈が望め、反対側にはダウンタウンが見えます。昼間は四季により表情が変わる山の景色を眺め、クラスが終わって夜になるとダウンタウンの夜景を楽しんでいました。ロッキー山脈は紅葉のシーズンもきれいですが、寒くなるにつれ山の上の方からだんだん白い部分が広がってきます。四季の移り変わりもきれいですが、広大な景色をみていると、自分の悩みや考えが「なんて小さなものなんだろう」と大きな自然が教えてくれるように思え、気持ちを切り替える場所としても気に入っていました。
キャンパス内の駐車場屋上からダウンタウンを眺める。
キャンパス内の駐車場からロッキー山脈を眺める。
学校以外ではどのようなことをされていましたか?
山や川、湖などアウトドアが好きなので、機会があればロッキー山脈へでかけています。特に、他州からなど友人がデンバーに訪ねて来た時には必ずロッキー山脈を案内しています。山の上の方に車で行き、景色の良い場所に案内していますが、みんな目の前に広がる美しい、広大な眺めに感動してくれます。学校では、勉強と並行してMSU Global Communityという留学生のためのクラブをプレジデントとして他3名の留学生と運営してきました。クラブは大学に勤務している留学アドバイザーの長年の夢で、なかなか実現できないものでした。その話を聞いた時に留学生にとって、とても良いお話と思いましたので、ボランティアを買って出ました。2013年に発足したクラブですが、月に2回の定例ミーティング、月一回のイベントを開きました。また、月一回のイベントにプラスして、ホリデーシーズンのイベントも開催しました。一番思い出深いイベントは昨年の感謝祭に行ったポトラックパーティーです。「アメリカのホリデーを楽しもう」という目的で開いたイベントの一つですが、自分の国のお料理をみんなで持ち寄り、国際色豊かなとても楽しいイベントとなりました。
留学を通じて学業以外で学んだことは何ですか?
「諦めないことが大事」ということです。学校や勉強はもちろんですが、学校以外でも色々な場面でこのことを学びました。例えば、留学生のクラブは出身国、文化、バックグランドの違うメンバーで構成されていましたので、みんな意見が違います。まさにダイバシティで、意見をまとめるが大変でしたが、諦めずとことん話し合い、みんなの考えをまとめていきました。おかげで、クラブは良いクラブに成長していくのがよくわかりました。また、Colorado Legal Serviceでのインターンでもこのことを実感しました。団体は低所得者のための法律相談、サービスを提供するNPOで、私は相談者に対して最初のインタビューをする仕事を担当させていただきました。法律の知識も乏しく、スーパーバイザーに質問しなくてならない場面も多く、相談者の中にはイライラされる方や露骨に嫌な顔をする方もいらして、心がくじけそうになることも多くありました。でも、諦めず相談者の方の質問に答え、150時間のインターンを無事完了させることができました。こうした諦めない姿勢で物事に取り組んだおかげで、少しのことではへこたれない、精神的にタフな人間になれたと思います。また、諦めなければ良い結果につながるということも学びました。
留学生アドバイザーのシンディーさんと。
将来、どのような仕事に就きたいですか?
夢は国連や国際開発などの国際的な機関で働くことですが、可能であれば法曹関係でも働いてみたいと思っています。授業でアメリカ国内での人身売買の問題について勉強しました。身近にそうした問題があるという事実を知っただけでもショックでしたが、これまで恵まれた環境で育ってきましたので、人権問題について自分ができることがあれば何でもしたいと考えるようになりました。今後、大学院へ進学したいと考えていますので、未来の自分にできることに照準を合わせて、仕事に勉強にさらにがんばっていきたいと思います。
〔取材・文〕
QUICK USA, Inc.
菰田久美子
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