2024年4月1日より、様々なビザの申請費用が 大幅に変更されます！

先日は、H-1Bビザについて最新情報をお届けしましたが、2024年1 月31日、米国市民権・移民局（USCIS）は、様々なビザの申請費用の大幅な変更を発表しました。これらの変更は、2024年4月1日から施行される予定です。

この大幅な申請費用変更に関して移民局は、新料金は処理時間を改善するために必要であり、これまでの料金ではビザ申請書を適時に審査するために必要な運営コストをもはやカバーできないと説明しています。

下記に注目すべき大きな変更を詳しくご紹介します。

I-129申請料金の変更
I-129申請料金はビザの種類と雇用主のタイプによって変動することになります。IRC § 501(c)(3)の非営利団体(内国歳入庁から税法上の認証を得て、非営利法人として寄付行為に対する税制上の優遇措置が認められている団体)とフルタイム従業員が25人以下の雇用主を除く全ての請願者に対し、I-129申請料金は大幅に増額される予定です。

H-1B申請：460ドルから780ドルへ
L-1申請：460ドルから1,385ドルへ
O-1申請：460ドルから1,055ドルへ
TN、E、その他の申請：460ドルから1,015ドルへ

また2025年度のH-1Bビザの抽選のためのオンライン申請費用は従来どおり10ドルですが、2026年度からは215ドルへ大幅に値上げされることになっています。

EB-5（投資家ビザ）申請手数料の変更
EB-5を取得するための申請書、I-526と I-526Eの申請費用は3,675ドルから11,160ドルへと劇的に値上げされることになりました。

またEB-５取得者が最終的に永住権を獲得するための申請書I-829の申請費用はは3,750ドルから9,525ドルに値上げされます。

その他の主な申請書の費用変更
その他の主な申請書の費用変更は下記の通りになります。
I-140 の申請費用は700ドル から 715ドルへ。
I-485 の申請費用は1,140ドル から 1,440ドルへ。
I-539 の申請費用は370ドルから 470ドルへ。

新たな追加申請料金の発生
またこれらの基本申請料金の値上げに加え、小規模雇用主および非営利団体を除くすべてのI-129およびI-140の申請書に対して、新たに600ドルの「亡命プログラム料金」が課されます。

小規模雇用主（フルタイム従業員数が25人以下）には、基本申請料金の引き上げに加えて300ドルの「亡命プログラム料金」が課されます。

IRC § 501(c)(3)の非営利団体(内国歳入庁から税法上の認証を得て、非営利法人として寄付行為に対する税制上の優遇措置が認められている団体)の請願者に対しては「亡命プログラム料金」は免除されます。

家族ベースの移民ビザ申請料金の値上げ
またUSCISの新しい申請料金では、家族のグリーンカード申請もより高額になります。この変更により、米国市民が海外の婚約者にK-1ビザを申請する場合に必要なI-129Fの申請料金は今までより140ドル高くなり、675ドルとなります。同様に、家族がグリーンカードを取得するための申請書I-130の申請料金も26％増の675ドルになります。オンラインで申請する場合は50ドル安く申請することが可能です。

グリーンカードの維持費は安くなるが、条件付永住者の申請料は上昇
10年間のグリーンカードを持つ永住権保持者は、通常、グリーンカードが失効する6ヶ月前以内にグリーンカード更新を申請する必要がありますが、永住権保持者は、I-90（永住権更新申請書）の申請料金が今までより下がり、540ドルから465ドルになります。ただし、米国市民の配偶者が永住権を取得する際、グリーンカード発給時に婚姻期間が2年未満である場合は、2年間の条件付きグリーンカードが発給されますが、 この条件を取り外し、10年間有効のグリーンカードへ更新するためにI-751を提出する条件付永住者は、申請費用が今までの680ドルから1,195ドルへと大幅に値上げされます。

市民権取得手数料に関しては緩やかな値上げ
N-400（帰化申請書）の料金は今までの申請料金から5％増の760ドルになります。ただし、バイオメトリクスの手数料はUSCISの申請料金の一部となるため、バイオメトリクスの手数料を払う必要のない75歳以上の申請者にとっては、これまでと比べて実質19％の値上げとなります。

プレミアム・プロセス申請料金の値上げ
また米国移民局はプレミアム・プロセスのための申請書であるI-907の申請料金を2024年2月26日から値上げすると発表しています。主な申請料金の変更は下記の通りになります。H-2B、R-1以外の I-129とI-140のプレミアム・プロセスの申請料金は2,500ドルから2,805ドルへ。I-539のプレミアム・プロセスの申請料金は1,750ドルから1,965ドルへ。

申請費用以外での注目すべき大きな変更
I-907のプレミアムプロセスの審査日数が現状の15カレンダー日から、15営業日へと変更されます。15営業日となると3週間に相当するため顕著な変更といえます。

バイオメトリクスの手数料は、ほぼ全ての適用されるケースにおいて主要な手数料に組み込まれます。

同時に申請する場合でも、I-485（在留資格/ステータス変更）、I-765（労働許可）、I-131（再入国許可）の申請には別途料金が必要となります。

オンライン申請が許可されている場合、オンライン申請料金はペーパー申請料金より低くなります。

今回は米国移民局によって発表された2024年4月1日から施行される大幅なビザ申請費用の変更および申請費用以外での注目すべき変更点、また2024年2月26日から施行されるプレミアム・プロセス申請費用の値上げについて詳しくご紹介させていただきました。

これらの大幅なアメリカビザ申請料金の改正は、様々な移民手続きに関連するコストの顕著な変化を意味し、特に雇用ベースのビザ申請に関わる雇用主や投資家、及びビザ申請者に大きな負担となるため多大な影響が予測されます。ビザ申請に関する計画や予算を立てる際には、これらの大きな変更点に注意して考慮されることを強くおすすめいたします。

【監修】
Kimura Law Office
Managing Attorney
木村　原（Gen Kimura）
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Phone：832-247-6932

木村法律事務所は、テキサス州弁護士・木村原が2011年に開設しました。創立以来ビジネスビザ・永住権の申請申請手続きを行っています。これまでの経験を活かし、様々な分野での日系企業 の法務支援にも力を入れています。
事業内容: Business and Immigration Law