アメリカでも日本でも、就職、転職活動で避けて通れないのが企業との採用面接です。採用面接が大得意と豪語する人にお目にかかったことがないほど、何回受けても毎回新鮮な気持ちになる人生の関門の一つです。採用面接は何回受けてもまったく同じ内容ということはなく、マニュアルだけでは対処できないイベントだからかもしれませんね。どんな人と会うのか？どんな質問を受けるのか？毎回ナーバスになります。
さて、採用面接で大抵の人は一回や二回は「失敗」の経験があるのではないでしょうか。「失敗」というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、「失敗は成功のもと」というように失敗の経験を生かして大きな成功を収めることもできます。大切なことは失敗をそのままにしないこと。次回の教訓として生かしていきましょう。
今回は、クイックUSAニューヨークオフィスのリクルーターに、自分自身の体験、求職者の方から聞いた面接での失敗談などを聞いてみました。失敗例から学んで、面接本番での失敗を回避していただければうれしいです。アメリカでの面接の基本についてはこちらの記事「アメリカの採用面接で好印象を与える」も参考にされてみてください。
- 緊張しすぎてうまく答えられない
- 面接に遅刻してしまった
- 準備不足で質問にうまく答えられなかった
- 身だしなみのマナー違反でマイナス印象
- テストで失敗をする
- スカイプ面接での失敗
- 条件面ばかり質問して失敗
- ネガティブな回答
１．緊張しすぎてうまく答えられない
弊社でお仕事をご紹介している方は、アメリカの学校を卒業したばかりの新卒の方、社会人経験のある方でキャリアアップのために転職活動をされていらっしゃる方、会社都合で新しいお仕事を探さざる負えなくなってしまった方など、一人ひとりのお仕事探しのご状況は異なります。どのような状況の方でも、共通して聞く失敗談は「緊張しすぎて失敗してしまった」というお話です。
新卒の方は予想外なことが起きた際の適応能力が低いため、面接で失敗してしまうという例が多いように見受けられます。例えば、面接官から突然業務や会社に関係のない質問を受け、パニックになってしまいうまく答えられなかったという話です。面接では突拍子のない質問する面接官も時々いらっしゃいます。こうした質問は、大抵あなたがどのような人なのかを知るためにすることが多いと覚えておきましょう。
日本や日系企業での採用面接の場合「人柄」を重視する企業が多いため、こうした質問を投げかける面接官もいらっしゃいます。戸惑うこともあるかもしれませんが、なるべくリラックスして、相手の表情や、受け答えを観察しながらコミュニケーションをスムーズに進める努力をしてください。緊張は誰にでもあるもの。緊張したなと思ったら、少しゆっくりと話すようにしてみてください。気持ちを落ち着かせることができます。反対にアメリカの企業での面接の場合、「人柄」よりも「能力」を重要視する傾向があるため、経験やスキルにフォーカスした質問が多く、突拍子のない質問は少ないようです。
２．面接に遅刻してしまった
交通事情や突発的な事故などで面接時間に遅れてしまいそうなシチュエーションは起こりがちです。面接の時間に遅れないように時間に余裕をもって出かけるのが一番大切ですが、万一遅れそうになってしまった場合には、理由とどのくらい遅れそうか、面接の担当の方に早めに連絡しましょう。地下鉄などの公共交通機関の遅れ、交通事故などの事故渋滞に巻き込まれる等、面接官に理解していただけるケースも多いので、どのような対応をするかが大切です。
ニューヨークで実際に起こった話ですが、面接の際会社のビルに余裕をもって到着。ところが、ビルのエレベーターで上に上がろうとしたところ、ちょうどランチタイムと重なったせいで、エレベーターになかなか乗ることができず、遅れそうになってしまったという方がいらっしゃいました。ハプニングはつきものと思って、なるべく早めに行動することを心がけましょう。ただし、人事は定刻に向けて面接の準備をしているので、あまり早く行き過ぎるのはかえって迷惑となります。早くついてしまった場合にはビルのロビーや近くのカフェなどで気持ちを整えてから面接会場に向かうようにしましょう。
３．準備不足で質問にうまく答えられなかった
採用面接では事前の準備がとても大切です。企業の事業内容や商品名などウェブサイトで事前に予習をしておけば答えられることですが、事前準備を怠り、面接でしどろもどろになってしまったという失敗談を聞きます。最悪な例としては、会社名を間違えて言ってしまったという失敗も耳にしたことがあります。緊張感から言い間違えてしまったのですが面接官は聞き逃しません。面接は一度のチャンスですので、準備不足でチャンスを棒にふってしまうようなことは避けましょう。
事前準備では企業研究の他に、志望動機やこれまでのご自身の職歴なども要領よく紹介できるようあらかじめ用意をしておきましょう。面接は自己アピールの場でもありますので、ご転職の場合には職歴に関連した成果や表彰などポジティブな部分をプロフェッショナルに伝えられるよう準備をしておきましょう。
面接の準備ではご友人やご家族相手に模擬面接の練習をされておくとよいでしょう。こちらも面接でよくある話ですが、質問の答えになっていない回答をしてしまうという失敗があります。落ち着いて面接官の質問を聞き、理解できない場合には質問の意図が理解できるよう、質問の内容について確認してから答えるようにしましょう。わかったふりをしたり、聞き間違いをして回答をするとマイナス評価になってしまうことがあります。面接でよく聞かれる質問については以前の記事でもご紹介していますので是非参考にされてください。
４．身だしなみのマナー違反でマイナス印象
服装についてはみなさん気を配られる方が多いですが、お化粧、髪型、アクセサリー、靴などの身だしなみを怠る方がたまに見受けられます。また、香水についても意外と注意不足の方がいらっしゃいます。自分が好きな香りでも他の人が好きかどうかはわかりません。またこれも実際にあった話ですが、面接の部屋が小さすぎて、求職者の方の香水で面接官の気分が悪くなってしまったということがありました。香水にアレルギーのある方もいらっしゃいますので、面接では香水はつけないほうが無難です。
匂いに関しては、「汗のにおい」「タバコのにおい」「防虫剤のにおい」なども気になるところです。汗をかく夏の面接では制汗剤をつけたり、早前に面接会場に行きクーラーの効いた場所で汗がおさまってから面接に向かうようにしましょう。アメリカではタバコを吸う人が少なくなっています。タバコが嫌いな人にとっては衣類にしみついたタバコのにおいも気になります。狭い面接室では不快に感じる方もいることを覚えておきましょう。そして、意外と気がつかないのが防虫剤のにおいです。クローゼットやタンスに長い間しまっておいた衣類に防虫剤のにおいがしみついていることがあります。早めに衣類を出して準備をしておいたりクリーニングに出しておきましょう。身だしなみはマナーの一つです。面接官に清潔な印象を与えるような服装、身なりを心がけましょう。
５．テストで失敗をする
ITの技術者や特定なスキルが要求されるポジションでは面接の他にスキルテストが実施されることがあります。企業がポジションに対して即戦力となる人を求めている場合、スキルはとても重要なポイントとなります。職務に沿ったテストが実施されることが多いので、ジョブディスクリプションを面接前に確認して、要求されているスキルについて必ず確認しておきましょう。
これも実際にあった話ですが、日本語の面接のみと事前に言われていたところ、一次面接の結果がよかったため、面接官が気をきかせて次の英語での二次面接をその日にセットアップしてくださったということがありました。その方は日本語での準備だけされていたので、急な英語での面接の準備をしておらず焦ってしまったというケースがありました。アメリカでの面接では必ず英語での回答の準備もしておくとよいですね。
６．スカイプ面接での失敗
広いアメリカ、対面の面接を行う前に、一次面接として電話インタビューやスカイプでのインタビューを行う企業さんも少なくありません。アメリカでは時差がありますので、必ず東部時間、中部時間などタイムゾーンを確認するようにしましょう。また、これも実際にあった話ですが、上半身はきちんとしたビジネススーツでしたが、スカイプにはうつらないであろうとカジュアルなパンツで面接を受けていたところ、立ち上がらなければならいシチュエーションとなってしまい失敗してしまったという話があります。また、自室でスカイプ面接を行う場合、カメラの位置にも気を付けましょう。散らかった部屋や派手々な装飾は面接官の印象を下げてしまうこともあります。
７．条件面ばかり質問して失敗
アメリカで就労するには、何かしらの就労ビザや就労許可証が必要となります。気持ちはわかりますがビザのことが気になりすぎて、面接でビザの質問攻めをしてマイナス評価を受けしまうという失敗談もよく聞きます。場合によっては会社に興味があるのではなく、ビザなどの条件で選んでいるかのように面接官に誤解されてしまったという失敗です。
また、ご自身の家庭の事情から条件をつけすぎて、オポチュニティーを逃してしまったという例もあります。家庭の事情は自分の都合で、会社にも会社の都合というのがあるのも理解しましょう。ただし、無理は禁物です。勤務時間や給料の希望など、大切にしている条件については、タイミングをみて交渉したいものです。
8．ネガティブな回答
転職の場合、「なぜ転職をしたいのか？」転職の理由を尋ねられることがあります。「上司が気難しい」「残業が多すぎる」などネガティブな転職理由は、その人自身に問題があるのではないか。職場が変わっても同じ不満が起きてしまうのではないかという印象を与えかねません。たとえ理由がネガティブだったとしてもポジティブな表現にかえるようにすると印象が変わります。
例えば、「代わり映えのしない仕事に飽きた」という理由であれば、「現在の仕事の経験が増えノウハウが蓄積できたので、そのノウハウを生かして、今回のこの仕事でさらなるステップアップが実現できると思いました」。転職する人には何かしらのネガティブ要素が存在します。たとえネガティブ要素でもポジティブな発想で思考を転換し、面接官にプロフェッショナルな印象を与えることが大切です。
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