暑い暑いと言っていた日が懐かしいほど、あっと言う間に秋の気配となってしまったニューヨークです。秋、と言えば「食欲の秋!」とも言いますが「芸術の秋」でもありますね。ニューヨークには幸い素晴らしい美術館や博物館が数多くあります。これまで、メトロポリタン美術館などを紹介してきましたが、今回はグッゲンハイム美術館に行ってまいりましたので、感想をまじえてご紹介します。お仕事帰りに、週末に、右脳をふる回転させて美術館巡りをしてみてはいかがでしょうか。
1.グッゲンハイム美術館の基本情報
グッゲンハイム美術館の正式名称はソロモン・R・グッゲンハイム美術館(Solomon R. guggenheim Museum)と言います。グッゲンハイム美術館はアメリカの鉱山王でもあり現代アートの蒐集家でもあったソロモン・R・グッゲンハイム氏が集めたアートのコレクションをもとに1939年ニューヨークのマンハッタンに開館されました。現在のグッゲンハイム美術館は近代建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトが1959年に設計したそうですが、今でも斬新でモダンな印象です。建物の中は最上階から一階まで、緩やかならせん状になっていて作品が壁にそって陳列されています。建物の真ん中は吹き抜けになっていて大きな天井のガラス窓から自然光がふんだんに差し込むようになっています。余談ですが、私はこの美術館を訪れるたびにリンゴの皮むきを思い出してしまいます。
【所在地】
SOLOMON R. GUGGENHEIM MUSEUM
1071 5th Ave, New York, NY 10128
(Between 88th & 89th street)
【開館・閉館時間】
月、水、金、日曜日 :10:00 am ~ 5:45 pm
火曜日 :10:00 am ~ 9 pm
土曜日 :10:00 am ~ 7:45 pm
木曜日 :休館
【行き方】
・地下鉄4、5番線または6番線で86ストリート駅下車。徒歩約10分。
・バスM1,M2,M3,M4 (マジソンアベニューまたは5番街)
【入館料】
大人 25ドル
シニア(65歳以上) 18ドル
学生 18ドル
こども(12歳以下) 無料
メンバー 無料
※毎週土曜日の午後5時~7時45分の間はwhat you wish for admissionとなります。サジェスティッドアドミッションは10ドルとなり最終チケット販売は7時15分までとなります。
【パスの利用】
エンパイヤステートビルやメトロポリタン美術館などの、ニューヨークの人気観光地の入館料をセットで購入することにより、割引となるパスです。いくつか種類があるので、観光したい場所に合わせて購入しましょう。
2.グッゲンハイム美術館の入館方法
●セキュリティチェック
グッゲンハイム美術館では入館する際にはセキュリティーチェックで手荷物検査を受ける必要があります。セキュリティチェックが済んだら、チケット売り場へ進みましょう。
●コートチェック
コートやバッグは入場後、コートルームに無料で預けることができます。バッグパックや長い傘、パッケージ等はギャラリーに持ち込むことはできませんので、こちらで預けます。貴重品はコートチェックに預けずご自身で持ち運ばれた方が安全です。
●チケットの購入
入場のチケット売り場は1階にあります。
●ツアーに参加してみる
グッゲンハイム美術館では、無料のツアーが開催されています。ウェブサイトでその日のツアーのスケジュールを確認することができますので、来館前にチェックするとよいかと思います。エグジビションの解説を聞きながら、ハイライトを見学すると知識が深まるのでとてもよい経験となります。
3.グッゲンハイムの特別展「ジャコメッティ(Giacometti)」
グッゲンハイム美術館では、現在「ジャコメッティ(Giacometti)」が開催されています。(9月12日まで)アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)はスイス生まれの芸術家です。彫刻、絵画、素描、版画など数多くの作品を残しています。ジャコメッティは高校を卒業した後、ジュネーブの工芸学校で彫刻を学びました。その後、ウェネツィア、ローマ、パリを転々とした後、1920年代半ばからは弟のディエゴとフランスにアトリエを構え、1927年頃から作品を発表しはじめました。ジャコメッティは若い頃からフランスの彫刻界で高い評価を受け、アーティストとして成功していたそうです。
上の写真はジャコメッティの弟さんのディエゴ氏の肖像画です。弟さんはジャコメッティのモデルになっていたそうですが、ジャコメッティの作品の保存にも重要な役割を果たしたそうです。ジャコメッティは弟さん、奥様など身近な人をモデルにしていたそうですが、何時間も同じ姿勢を強制し、少しでも動くと機嫌を悪くしたという話も聞きました。また、終わりの見えない何日も続くモデルに嫌気をさした方も多かったようです。
上の写真は「スプーンウーマン」という1927年の作品です。女性の身体のようにもスプーンにも見えますね。下の写真の作品は「サスペンディッド・ボール」です。1930年~1931年の作品ですが、この頃ジャコメッティはキュビスム、シュルレアリスムなどに影響を受けた作品を制作していました。(その後シュルレアリスム的作風を放棄します。)初期はフロイトから影響を受けていたと言われています。
ジャコメッティは、シュルレアリスムから離れて、1935年ころから独特の人間像を模索し始めたそうです。極力余分なものをそぎ落とし、人間の本質に迫ろうと試みたそうです。ジャコメッティの作品には細長い人物の彫刻が多く見られますが、ジャコメッティには目に見えるものをその通りにつくろうとすると、実在よりも小さくなってしまうという悩みがあったそうです。小さな作品はマッチ箱に入るくらい小さなものもあったそうです。これ以上小さな作品をつくりたくないと思ったジャコメッティは今度は高さにこだわるようになったそうです。高さを意識し作品づくりをしたところ、どんどん作品は細くなっていったそうです。天才の考えることは、なかなか理解しがたいですね。
見えたものを見えたようにつくり出すというジャコメッティの作品づくりですが、独特の作品にできあがっていて、見ている人は様々な感情がわきあがってくるようです。下の写真は1959年ジャコメッティの晩年の作品で、チェース・マンハッタン銀行の依頼でつくられたもので「女性立像」「頭部」「歩く男」の3つの彫刻で成り立っています。
下の作品、スクランブル交差点のようですね。目的に向かって力強く歩いている人、のんびりゆっくり歩いている人、立ち止まっている人。歩く姿にその人の人生や現在の心境などが映し出されているように見えます。見ていれば見ているだけ色々な考えや感情がわきあがってくる不思議な作品でした。
ジャコメッティは第一次世界大戦と第二次世界大戦を経験しています。下の写真は「鼻」というタイトルの作品で1964年のものです。第二次世界大戦のトラウマの残忍な表現と説明書きにありました。私にはこの鼻は銃のように見えました。この作品もそうですが、初期の「サスペンディッド・ボール」のようにジャコメッティの作品にはケージのようなものに囲まれたものがたくさんあります。ケージは何を表しているのでしょうか?不自由さ、自由、安全、恐れ。。。
特別展ではジャコメッティの素描もたくさん展示されていました。ジャコメッティはエジプト美術に興味が高かったそうで、下記の写真のようにエジプト彫刻のデッサンをたくさん残しています。
ジャコメッティは実存主義哲学家のジャン・ポール・サルトルと親しくしていたそうです。そのつながりから日本人の哲学研究者の矢内原伊作氏とパリで知り合います。矢内原伊作氏は1918年に愛媛県に生まれ、京都帝国大学文学部哲学科で哲学を学びました。サルトルやカミュに心頭し実存主義の立場で哲学を研究。フランスに渡ります。ジャコメッティと知り合ったことからモデルを頼まれ、気軽に引き付けましたが、作品づくりに時間がかかり日本に帰国する予定が延びてしまったそうです。なんと矢内原伊作氏は合計で230日もモデルとして座り続けたそうです。二人の間では、哲学の話で盛り上がったこともあるのでしょうね。
ジャコメッティは矢内原伊作氏をモデルとした絵画も残しています。矢内原伊作氏は日本に帰ったあと、大阪大学、同支社大学、学習院大学で助教授を務めた後、法政大学文学部哲学科の教授となっています。
ジャコメッティは自分が納得いくまではその作品をつくっては壊し、つくっては壊しを繰り返していたそうです。産みのくりかえしを何度も何度も繰り返していたのですね。
ジャコメッティは女性にもてたそうで、有名大女優のマレーネ・ディートリヒと恋仲にあったことは有名な話です。ジャコメッティにはアネットという妻がいますが、ジャコメッティの不倫は妻公認だったとも。下の写真は娼婦のカロリーヌを描いたものです。頻繁に家に娼婦が出入りするという生活。凡人には理解しがたい生活ですね。
ジャコメッティの作品には動物の作品が少ないそうですが、今回の特別展では下記の作品「犬」が展示されていました。1951年の作品だそうです。
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