留学は人生の中で生涯忘れられない貴重な体験の一つになることでしょう。このコーナーでは、留学を通じて得た様々な体験や感想を日本人留学生の皆様に伺うコーナーです。留学中の楽しかったこと、辛かったこと、海外生活で学んだことなどを写真を交えてお話いただいています。
UNIVERSITY AT ALBANY,
State University of New York
加藤尚樹さん
【第5回】
加藤尚樹さん
留学されている大学:UNIVERSITY AT ALBANY, State University of New York (ニューヨーク州)
どのようなシチュエーションでも、「必要とされる人になりたい」です。
留学されている学校について教えてください。
私が現在通っているニューヨーク州立大学オルバニー校は、ニューヨーク州に64校ある州立大学の一つです。オルバニー校の歴史は古く、生徒数は約2万人の大規模な総合大学です。敷地はとても広く、学舎、図書館、カフェテリア、寮、ジムなどが点在しています。また、キャンパス内にあるナノテク施設は、著名な企業やトップスクールから優秀な人材が集まる研究施設として世界的にも有名です。また、学生のサポートも充実しており、スチューデントアドバイザーがいつでも相談に応じてくれます。私は次のセメスターの授業内容などでアドバイスをもらっています。大学のあるオルバニー市はニューヨーク州の州都で、マンハッタンから車で2時間30分くらい走った州北部に位置しており中心部にはニューヨーク州庁舎などがあります。私のキャンパスはオルバニー市の中心部から車で30分くらい離れたところにあります。また、オルバニー校は留学生も多く、中国、台湾、韓国、インドなどのアジア圏や欧州、中南米からのインターナショナルスチューデントもたくさん在籍しています。私は今年の8月から渡米しており、現在一年生です。
エントランス
キャンパスの象徴でもある噴水のある場所
どのようにして、現在の大学を選びましたか?
初め、高校後の進路については日本の大学に進学することを考えていました。そして、大学に入ってからアメリカへ1年間の交換留学をしたいと考えていました。そんな自分が、なぜ4年間留学することになったかというと、高校時代に通っていた塾の先生のアドバイスの影響が一番大きかったと思います。英語の担当の先生でしたが、先生との面談の際に自分の考えを話したところ、1年間留学したいと思うなら4年間留学したほうが絶対によいとアドバイスを受けました。他者との差別化になるということと、アメリカの大学で真剣に勉強することは将来の自分にとってもとてもよいことのはずというお話でした。先生のアドバイスはとても分かりやすく、胸に響くものでした。両親と相談し留学という進路を決め、高校3年生になってからは高校と並行して留学準備の専門学校に週末通い、英語を中心に留学の準備を始めました。この専門学校はアメリカの複数の大学と提携しており、カウンセラーが留学先について親身に相談にのってくれました。TOEFLEの点数、高校のGPAと、ビジネスを勉強したいという希望から現在のニューヨーク州立大学オルバニー校を推薦していただき、この学校を通じて大学にアプライしました。
ビジネスアパートメントのビルディング
留学生活で楽しいことは?また留学前と留学後で何かギャップはありましたか?
留学生活はとても充実していて楽しいです。英語に関してはまだまだ勉強は必要ですが、留学前からかなり準備をしていたので、クラスで不自由をすることはいまのところはありません。一年生なので、現在のクラスは一般教養が中心ですが、経済のクラスがとても楽しいです。例えば「エラスティスティ」という需要と供給の弾性値の授業等は、自分にとって初めて耳にする概念で教授の話はとても興味深かったです。クラス以外では、留学生活の間にできるだけたくさんの友達をつくりたいと思っていますので、機会があれば自分からなるべく多くの人に話しかけるように心がけています。英語でコミュニケーションをとるのも楽しくて、ユニバーサル言語である英語で様々な国の人達とコミュニケーションをとることによって、自分の世界がどんどん広がってきているように思います。また同時に、考え方や視野なども広がっているように思います。留学後のギャップとしては、留学する前は現地の友達を簡単につくれるものと思っていましたが、意外と難しいものだと感じています。留学して間もないので、英語力が足りないせいもあるかもしれませんが、学生はみな勉強で忙しく、授業が終わったらさっさっと帰宅しまうのでなかなかゆっくり話せるチャンスがありません。学校はまさに勉強をする場所という感じです。あとは、食事です。カフェテリアで3食食べていますが、正直言ってあまりおいしくありません。レンジで温めるご飯やふりかけなどは非常食として重宝しています。
キャンパスの中で、お気に入りの場所を教えてください。
キャンパスセンターといって、イベントなどが開催される時によく使われる建物があります。建物内には卓球台やビリヤードなどもあり、時間がある時には友人と行き余暇を楽しんでいます。キャンパス内の寮に住んでいるので、校舎と寮の行き来だけで一日が終わってしまうことがあります、キャンパスセンターは勉強の息抜きや気分転換ができるのでとても気に入っています。また、ジムもキャンパスに5つあるのでとても便利です。クラスの合間や週末など時間のできた時にはジムに行き、汗を流しています。
キャンパスセンター
学生達の憩いの場所でもあります。
卓球台やビリヤード台はいつでも使用できます。
授業以外ではどのようなことをされていますか?
9月の入学前のサマーセッションを受けている時に、オルバニー校の日本人学生会(JSA)の存在を知り、すぐに入会させていただきました。海外では、同じ日本から来た知り合いや友人はとても頼りになります。また、精神面でもよい支えになると思います。オルバニー校の日本人学生会は、アメリカ人など現地の人や海外からきた留学生などに日本文化を紹介することで、お互いの文化の架け橋になることを活動の一番の目的としています。活動はイベントが中心で、毎週火曜日には「ジャパニーズ・カフェ」といって、日本語を勉強したい学生の人達に日本語を教えるイベントを行っています。参加者の中には日本語がとても上手なアメリカ人の方もいらっしゃいます。アニメがきっかけで日本や日本語に興味をもったという方がやはり多いようです。また、不定期ではありますがスポーツフェスティバルなども開催し、サッカーなどスポーツを通じて交流の機会を設けています。私は学生会の就職担当として組織の運営の一旦を担わせていただいています。企業開催のセミナーのお手伝いや企業の会社説明会、キャリアフォーラムの準備などが主なタスクです。12月5日に行われるクイック・グローバル・メキシコ社主催の「メキシコ就職セミナー」も、学生会でご協力させていただくことが決まっています。海外で働きたいと思っている人達の一つの選択肢としてお話を聞けるのを楽しみにしています。
留学を通じて学業以外で学んだことは何ですか?
他者に対する気づかいや心配りです。今までなかったというわけではないのですが、海外で一人暮らしをするようになって、相手の気持ちや自分が与える影響についてより強く意識するようになりました。例えば、私は学校内の寮で暮らしていますが、パキスタンから来た留学生と一部屋をシェアしています。ルームメイトもよく勉強する学生なので、彼が勉強している時には大きな音を立てないように気をつけたり、就寝している時にはスタンドのライトに切り替えるなどお互いに快適に暮らせるよう考えながら生活しています。また、海外では積極性をもつことも大切だと思っています。例えば、自分が何か助けが必要な時には、何も言わなければ誰も助けようとはしてくれません。でも、自分から助けを求めれば、誰もが助けてくれます。きちんと自分の考えや気持ちを言葉にして、積極的に相手に伝える大切さを海外暮らしの中で毎日のように感じています。また、私は授業が終わった後にできる限り教授のところへ行き、教授と話をするようにしています。最初は自己紹介から始めましたが、その後は授業に関する質問などをしています。教授はみな親切で、留学生ということを話すと、ゆっくりと分かりやすい英語で質問に答えてくれます。これから留学をしようと考えている人にも、こうした自分のやり方はとてもお勧めです。話をすればするほど、教授との距離が縮まり、お互いに親近感が生まれてきます。真剣に学ぼうとしている学生に対して、教授も真剣に受け止めてくれるので、わからないことがあったら、是非質問してみてください。
将来、どのような仕事に就きたいですか?
留学がはじまったばかりなので、将来についてはいまのところ自分の可能性や選択肢を広げています。ただし、大学で専門分野に入っていく時にはマーケティングや広告について学んでいきたいと思っています。経営戦略にしめるマーケティング戦略の重要性は高く、「売上」に直接的に間接的にかかわるマーケティング戦略にとても興味があります。「どんな価値を」「誰に対して」「どのように差別化し」「どのような形で提供するか」。どのような業界で働いたとしてもマーケティングは会社経営には欠かせない要素のひとつだと思いますのでしっかり勉強していきたいと思っています。また、商品やサービス等をどのように消費者に伝えていくかという広告にもとても興味があるので今後しっかり学んでいきたいと思っています。業種や職種とは少し離れますが、自分が常々思っていることは「必要とされる人になりたい」ということです。社会、家族、友人など対象は限らず、「必要とされる存在」になれればと思っています。将来、仕事に就く時にも会社の中で「必要とされる、存在感のある人間」になれればと思っています。そのためにも、アメリカ留学中にしっかり勉強していきたいと思っています。また、他の人とは異なった自分独自のユニーク性も身につけていきたいと思っています。
〔取材・文〕
QUICK USA, Inc.
菰田久美子
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