最近よく耳にするインフルエンサー採用。ソーシャルメディア（ツイッターやインスタグラム）の台頭で、採用にも従来とは異なる方式が現れているようです。そこで今回は、注目を集めているインフルエンサー採用を取り上げてみたいと思います。
１．インフルエンサーとは
インフルエンサーとは、ブログ利用者が増えだした2007年頃から頻繁に使われるようになった言葉で、簡単に言うと世間に与える影響力が大きい人のことを指します。そして、ブログやツイッターなど、ソーシャルメディアの急速な発展により、インフルエンサーが人の購買行動に強い影響を及ぼす機会が多くなったことから、多くのフォロワーをもつインフルエンサーに企業をはじめ多くの人の注目が集まってきました。
インフルエンサーは使用しているソーシャルメディアによって呼び名が違います。写真共有サービスのインスタグラムで大勢のフォロワーがいる人はインスタグラマー。ブログでコンテンツを配信し多くのページビューを獲得している人達はブロガーと呼ばれ、動画のYouTubeでファンからの圧倒的な支持を獲得している人達はユーチューバーと呼ばれています。
インフルエンサーには、芸能人やスポーツ選手といった著名人もいれば、無名の一般人もいます。インフルエンサーの行動や発言などに共感するファンで、インフルエンサーのアカウントに登録し、メッセージを受け取っている人達のことをフォロワーと呼んでいます。インフルエンサーがどれだけの人に影響をもたらすかは、通常フォロワーの数ではかられています。
２.インフルエンサー起用のマーケティング
インフルエンサーは、ブログ、フェースブック、インスタグラム、ツイッター、ユーチューブなどのソーシャルメディアを使って日々情報を発信していますが、インフルエンサーがソーシャルメディアで話題にしたことによってその商品がすぐに完売してしまったり、紹介したお店が繁盛するなど、インフルエンサーによる影響が商品やサービスの売れ行きを左右するという現象も頻繁に起こるようになってきました。
こうした社会現象を受け、企業も広告、キャンペーンなどにインフルエンサーを起用するケースが増えてくるようになり、インフルエンサー・マーケティングという名称も生まれてきました。企業も消費者の購買行動に影響を与えるインフルエンサーの存在を無視することはできない時代になってきているのです。
インフルエンサー・マーケティングは従来の口コミマーケティングに近いものがありますが、商品を実際に使ってもらい、感想や意見をソーシャルメディアで宣伝してもらうというのが異なる点です。また、インフルエンサーの投稿を他のユーザーに拡散してもらいさらなる効果も狙っています。
3.インフルエンサー採用とは
インフルエンサー採用の狙いは、まずインフルエンサー自体を企業が採用するというのがあります。すでに特定のコミュニティに影響力をもっているため、企業のターゲットと合致すれば、大きな効果が期待できます。また二つ目の狙いとしては、インフルエンサーとして成功したマーケティングスキルに注目して、インフルエンサーを採用するというケースもあります。インフルエンサーの中には、コミュニケーション力、デザイン力などのクリエイティブ力やマーケティングスキルの高い方が大勢いらっしゃいます。そのようなインフルエンサーのスキルに注目し、インフルエンサーを採用するという狙いをもった企業もあります。
昨今、スマートフォンやソーシャルメディアの急激な普及によって、情報の流れや人の行動は大きく変化しています。企業もインフルエンサーの存在を無視することのできない時代となってきており、そのような時代背景から生まれてきた新しい採用方式がインフルエンサー採用です。
4. インフルエンサー採用の方式
企業や目的によって評価基準は異なりますが、インフルエンサーのフォロワー数、投稿に対する「いいね！」の数、投稿内容などで判断することが多いようです。求める採用要件を満たすと判断された場合、書類選考や一時面接などが免除されて一気に最終面接に進めるなどの優遇措置を受けることができます。
インフルエンサー採用を取り入れる企業は、ソーシャルメディアが消費者との重要なコミュニケーションツールの一つとして重要な役割を果たしていると捉えている企業で、ＳＮＳに強いインフルエンサーは企業にとって貴重な戦力と考えている企業です。企業の中にはインフルエンサー手当などを設ける企業も現れてきているようです。また、インフルエンサー採用を取り入れている企業は、行動力や発信力があり、上手にかつ積極的に自己アピールのできる人材を求めているという共通点も見られるようです。
5.まとめ
インフルエンサー採用はここ数年の新しい動きです。これからの労働力の中心となり消費者のコアとなるミレニアム世代は「クリエイティブでソーシャルな体験」を求める傾向が強いため、企業は時代の流れに常に敏感でいることが重要です。また、インフルエンサーを採用した場合、メリットとデメリットを考えながら、慎重に運用する必要があります。また、効果がどの程度得られているかを定期的に測定することも大切です。
現在はやっているソーシャルメディアの人気がずっと続く保証はありませんが、現在人気のプラットフォームに終わりが来た時には、別のプラットフォームの人気が盛り上がり、その新しいプラットフォームで影響力のある人が生まれてくることが予想されます。今後もテクノロジーの進化や発展とともに、企業も時代のニーズに合わせて柔軟な対応をしていくことがますます求められるようになってくることでしょう。
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