今や世界中で多数の人がスマホを所有しSNSを日常的に使用しています。様々な新しい商品や新しい才能がSNSをきっかけに拡散されて、ブレイクすることもすでによく目にする情景です。また特に若い世代は日常的な情報収集はSNS経由という人が多く、SNSマーケティングはもはや企業のマーケティング戦略に欠かせなくなっています。
前回は「世代ごとに人気のSNSを知って効果的なマーケティングを!!」でSNSマーケティングについてご紹介しました。今回はSNSの中でも特にZ世代に大人気のTikTokやBeRealといった新しいSNSの詳しいご紹介、そしてそれに関連するリアルを求める新しいSNSマーケティングトレンドについて詳しくご紹介していきます!
Z世代に大人気SNS、TikTokとBeReal
FacebookやInstagram、X(旧Twitter)やYouTubeなどすでにおなじみのSNSの他にも最近ではTikTokやBeRealといったSNSが特にZ世代を中心に注目や人気を集めており、SNSマーケティングを行う際にはぜひ活用したいプラットホームになっています。
Tik Tok とは
TikTokは中国のByte Dance社がリリースした15秒から1分ほどの短い動画を作成して投稿できる動画プラットフォームです。動画投稿と閲覧に特化したSNSなので「踊ってみた」をはじめとしたダンスや音楽関連のコンテンツイメージが強いプラットフォームですが、実際に利用してみるとハウツー・知識系やビューティー・ファッション系、グルメ系コンテンツなど様々なコンテンツが展開されていることがわかります。
好きな時間に飽きることなく、さっと視聴できる手軽さが短い動画の魅力であり、TikTokのサービスの強みとなっておりZ世代をはじめとする若者に人気のSNSとなっています。TikTok のユーザーの44.7%はZ世代です。
またTikTokではアプリ内で動画の撮影や編集、そして投稿が一貫して行えるので、他のプラットフォームで短い動画を投稿するよりもユーザーにとって利便性が高いのも特徴です。さらにTikTokで投稿した動画はInstagramのストーリーズやYouTubeのショート動画でもそのまま投稿できるので「TikTokらしい動画」が他のプラットフォームでも多くの人に視聴され、ユーザーが自然とTikTokを認知する流れにも繋がっています。
Be Realとは
Be Realはフランスで2020年にリリースされた無加工で撮った写真を投稿するSNSアプリです。Be Realは2023年11月までに、世界中で1億回以上ダウンロードされており、2023年11月のアクティブユーザー数は2500万人となっています。
Be Realは写真のシェアを行うアプリですが、Instagramとは大きく異なり、1日に1回ランダムな時間にBe Realから通知が来ます。ユーザーはその通知を開いてから2分以内に撮影した写真を加工なしで投稿しなければなりません。アプリを起動して撮影すると、内側と外側のカメラで同時に撮影された1枚の画像が出来上がります。加工した画像やスマホに保存していた画像は投稿できず、その時のありのままの自分の顔と自分がいる場所=Be Realが1枚の画像となり公開されます。
Be Realは2分を過ぎても投稿できますが、遅れて投稿すると「〇分遅れ」と表示されたり、写真を撮り直した場合は撮り直した回数が表示されます。同じ写真アプリですが「映え」や「盛り」を意識するInstagramとは正反対の性質のアプリとなっています。また自分が投稿をしないと他の人の投稿を閲覧できなかったり、一般的なSNSではフォロワー数で人気を競う傾向がありますが、BeRealでは他のユーザーがつながっているアカウントの数は分からないようになっているなど、これまでのSNSとはいろいろと異なる点もユニークです。
自分を偽ることができないBe RealがなぜZ世代を中心に注目や人気を集めているかというと、これまでのSNSでの「映え」や「盛り」を意識した、行き過ぎたフィルター加工や、非日常の断片的な部分を切り取った投稿、またSNS全体に若者が疲れを感じているからではないかという考え方もみられます。また「映え」や「盛り」がないぶん、より人間味のあるコンテンツでリアルに人とつながることが出来るツールとしても人気があるのではないかとも分析されています。
これからのマーケティングトレンド「映え」から「リアル」へシフトするSNS
これまでのInstagram、X(旧Twitter)、Facebookなど、大手ソーシャルメディアでは、フォロワー数や「いいね」を含むエンゲージメント数が存在し、こうした数値が高ければ高いほど良いといった考えが普及していました。フィルターや加工、編集などを使用して作られた洗練されたコンテンツなどもエンゲージメント数を増やすためのものといえます。
ですが、上記でも述べたようにZ世代を中心とする若いユーザーには加工なし、フォロワーなし、いいねなし、広告なしであるBeRealが支持されていることから、これまでとは違って「コンテンツの出来栄えやエンゲージメント数を気にせず、もっと自由にSNSを使いたい」といったユーザーの思いが読みとれます。これからのSNSマーケティングはユーザーのこうした考え方にアピールしていくことがより大切な課題となることが予想されます。
すでにアメリカでは数年前から「BeReal」のコンセプトでもある、「ありのままの姿を隠さずに見せていこう!」という考えが、企業やブランドのSNSマーケティングでも重要視され、広がりはじめています。スキンケアやファッションブランドを筆頭に、モデル写真の加工を最小限に抑え、UGCと呼ばれる一般の消費者ユーザーによって創り出されたコンテンツにフォーカスするブランドが数多く見られるようになりました。
そして、ブランドの「ありのままの姿」を見せようと、舞台の裏側や製品の製造過程、そのストーリーなどをコンテンツとして投稿するブランドも増えています。このような取り組みは、Z世代ユーザーからの信頼や人気を得るために、今後もますます活発になっていくでしょう。
Z世代に人気のTikTokやBeRealを使った、よりリアルなSNSマーケティング方法
それではZ世代に人気のTikTokやBeRealを使ってよりリアルなマーケティングをするためにはどうしたらよいのでしょうか?インターネットを普段から使用しているユーザーは、いわゆる広告らしさや押しの強いプロモーションを好まない傾向にあるため、ユーザーに好感をもってもらえるよう、より自然なアプローチが必要になります。
TiKTokではハッシュタグチャレンジがおすすめ
TikTokでは「ハッシュタグチャレンジ」を用いた、ユーザー参加型のキャンペーン企画の実施がおすすめです。ハッシュタグチャレンジの企画・運用によってユーザーが生成するコンテンツ(UGC)が生まれるため、企業アカウントの投稿として動画を発信するよりも、よりリアルな内容で幅広いユーザーの間で話題になりやすくなります。またTikTokはレコメンド機能があったり、YouTubeやInstagramとは違った独自のアルゴリズムがあるため他のプラットフォームに比べて拡散力が高く、企業アカウントをフォローしていないユーザーの画面上にも動画が表示され、潜在層にアプローチできるなどのメリットがあります。
またTikTokを活用している企業数はその他のSNSと比較すると少ない傾向にあるため、企業にとっては、まだまだチャンスのあるプラットフォームです。
BeRealは舞台裏やプロモーションコードを活用!
BeRealを使ったマーケティング方法で1番おすすめなのは「舞台裏のシェア」です。BeRealを使って企業やブランド内部を見せることから始めましょう。会社やブランドの日常風景や商品を製作しているところなど顧客が知りたいと思うようなコンテンツを考えましょう。
またBeRealを使って期間限定のプロモーションなども大変有効です。大手ファーストフードチェーンのチポトレはBe Realでプロモーションコード「FORREAL」を投稿し、アプリで注文するときにプロモコードを使用した最初の100人の顧客に無料の食事を提供することで多数のユーザーのエンゲージメントとフォロワーを獲得しました。
この例からもわかるようにユニークなプロモコードの発信は、ブランドに対するユーザーのエンゲージメントを高めてくれます。また、今後のプロモーションのために、ユーザーにブランドをフォローしてもらうこともできます。
大手化粧品ブランド、キールズのユニークなTikTok とBeRealの使い方
大手化粧品ブランドのキールズはTikTokでフォロワーに「キールズのBeRealでどんなコンテンツを見たいですか?」と質問しユーザーの意見をBeRealで役立てています。ユーザーに質問し、それを実際に活用することでブランドと顧客の結びつきを強め、また顧客が喜ぶBeRealの投稿を実現させています。キールズは骸骨のマスコット、ミスター・ボーンズをBeRealアカウントの主役にして、フォロワーを舞台裏に案内し、楽しく魅力的な情報コンテンツを共有しています。
このキールズのマーケティング方法はTikTokとBeRealの両方をとても有意義に活用した例だと言えます。
インフルエンサーとコラボしてリアルなコンテンツの発信もおすすめ!
またTikTokとBeRealの両方で使える有効なマーケティング方法として、インフルエンサーとのコラボレーションもおすすめです。例えば、アパレルブランドであればインフルエンサーに洋服を着てもらったり、食品関連ブランドなら、インフルエンサーにその食品を率直にレビューしてもらうなど、「ありのまま」を大切にしながらインフルエンサーにリアルな日常生活コンテンツを作成してもらうとよいでしょう。
今回はSNSの中でも特にZ世代に大人気のTikTokやBeRealといった新しいSNSのと、それに関連してトレンドとなりつつあるリアルを求める新しいSNSマーケティングについて詳しくご紹介しました!SNSマーケティングを成功させたい方は、ぜひ、よりリアルを求めるSNSマーケティングトレンドを知って活用してみてください。
参照
https://www.emarketer.com/content/gen-z-leads-pack-on-snapchat-tiktok
https://thesocialshepherd.com/blog/bereal-statistics#:~:text=BeReal%20Has%2025%20Million%20Active,went%20down%20to%2025%20million