感染症(新型肺炎・季節性インフルエンザ)に対し人事部がすべき事
WHOが新型コロナウィルスに緊急事態宣言を発表いたしました。
今年のアメリカはインフルエンザも猛威を振るい14,000名以上の方が亡くなられたとのニュースもあります。
感染症対策で人事・総務がすべき事。知っておくべき事をまとめてみました。
1.予防:社内に準備しておくと良いもの。
*Sanitizer *マスク *消毒用アルコール *体温計 *加湿器 *使い捨てグローブ
Sanitizer、マスクは言うまでもありませんが、給湯室等の共有部分を消毒するアルコール。乾燥しやすいアメリカですので加湿器も有効です。
社員には
・「シックリーブ」は本人及び家族の看病も使用できることを再度通知しておく。
・手洗等の感染予防を社員に徹底させる。
出社時や外出から帰ってきた社員には特に手洗いを徹底させる。
・会社周辺、社員の自宅地域での医院、病院、Urgent Careのリストを用意しておく。
2.外部の情報の把握と整理。(新型肺炎について)
弊社上海オフィスから今回の新型肺炎関連についての情報によると、上海市、居住委員会、行政機構としては所属地の街道の判断、指示が出ます。
状況の変化が速く、情報自体もすぐアップデートされ変更されるので、常に公的機関の最新情報をキャッチする必要があるようです。
米国でも新型肺炎が蔓延すれば、連邦、州、カウンティ、市、各行政機関、日本領事館ニュース番組等からの最新情報を常に入手する必要があります。
Web、SNS等にはデマも多く掲載されますので、正確な情報源の確保が必要です。
3.事業所内で社員が罹患した際の対応。 咳、発熱等の症状が出た場合の対応。
・社員が咳、発熱等の症状が出ているが、自身は職務を遂行しようとしている際に、帰宅、または病院へ行かせる命令をする事は雇用方的に可能でしょうか?
→勤務中に明らかに体調不良や病気の症状が出ている従業員に対して、会社は帰宅命令を 出して本人を自宅に送り返す事が出来ます。 回答:Pacific Dreams, Inc. 代表 酒井氏
・社命で帰宅させた場合、強制的にシックリーブを取らせる事は可能か?また賃金は発生するか?(Non-Exemptの場合)
→ その際には、Non-Exempt、Exemptの従業員ステータスにかかわりなく、雇用主として、強制的にシックリーブあるいはPTO(Paid Time -Off)を取らせることができます。従業員のシックリーブあるいはPTOが残っていない、もしくは就業条件上、まだ十分に累積されていない場合にはシックリーブまたはPTOの前貸しを認めてあげても良いかと思います。
会社で前貸しは認めないとするポリシーを持つところもあるようですが、今後会社として柔軟に、そして現実的にポリシーを変更したり、運用していくことがより望ましいでしょう。 回答:Pacific Dreams, Inc. 代表 酒井氏
・当該社員の接触した箇所を消毒する。
・当該社員の接触者の濃厚接触者をリスト化し、その社員の経過を注視、場合によっては出社を禁止する。
4.事業所外で発症が確認された場合(本人・家族)
・上長への報告
・感染症と診断された場合、社命として出勤させない事は雇用法上可能でしょうか?
→ 会社命令として出勤させない事は可能です。回答:Pacific Dreams, Inc. 代表 酒井氏
・上記の場合、シックリーブを強制的に取らせる。または賃金を支払う義務はあるか?
→ 従業員が持っているシックリーブまたはPTOを充ててもらう事になります。それが残っていなかったり、使い切っていた場合は、前貸しを許すか、あるいは最終的に無給という事になります。基本的にNon-Exempt、Exemptに関わらず同じ対応になります。回答:Pacific Dreams, Inc. 代表 酒井氏
・社内での出社停止の目安について
→インフルエンザ感染では熱が下がった後2日間は出社をお薦めしません。通常「解熱剤の服用をストップしてから、少なくとも24時間自宅で安静に」と言われています。インフルエンザ感染では少なくとも4~5日は自宅で安静をとり、回復後出社が難しい場合テレワークなど在宅勤務を活用されてはいかがでしょう。
コロナウイルス感染の場合、米国疾病予防管理センター(CDC)、州の公衆衛生センターの指示を受けなければなりません。社員間での感染や接触の疑いがある場合、14日間の強制隔離で事態は深刻となります。更にCDCや公衆衛生センター指定の医療機関で治療を受けなければなりません。回答:GlobalMax保険代理店代表 武藤氏
・発症前10日間程度の社内での濃厚接触者をリスト化し、その社員の経過を注視、場合によっては出社を禁止する。
・状況に応じて社員へ情報を提示する。
5.社内での感染者の差別について
被感染者が完治し出社した際に、差別やハラスメントが起こらないように細心の注意が必要です。また、コロナウィルスではアジア人に対する差別にも細心の注意が必要です。
6.通勤時の差別的被害にも注意
NYではコロナウィルス発生後に頻繁に日本人に対して暴行、暴行未遂、つばを吐かれるなどの行為が通勤時に起こっています。各事案は感染症に起因するものとの確証はありませんが、通勤時の安全の徹底も今一度必要です。
7.日本総領事館への報告について
コロナウィルス、および通勤時の暴力被害等の日本領事館への報告義務はありませんが、法人への情報として領事館への報告をお勧めします。
人事部・総務部として備える事は、最悪の事態を想定する事です。
「社員の半数以上が出社できない」「オフィスを一時的にクローズする」等を想定し、その際の指揮系統を明確にし、事業継続の為の在宅勤務や他拠点でのオペレーションの支援等のシミュレーションを考える必要があると思います。その際には、給与支払いにおいてはExempt 従業員と Non-Exempt 従業員とでは支払いに差が出ることがありますので、事前に雇用法の専門家に確認を取っておかれることをお奨めします。
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【執筆】
QUICK USA, Inc.
CFO
山田幸生
Yukio Yamada
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