世界中の多くの人が子ども頃に一度は手にしたことのある玩具と言えば、デンマークの玩具メーカーLEGO社のレゴブロックではないでしょうか。小さなプラスチック製の組み立てブロックを自由自在に組み合わせてつくりたい形を実現させます。楽しいことはもちろんのこと、創造性や集中力を高めるおもちゃとして人気があります。日本に紹介されたのは1960年代頃だそうです。
現在、ニューヨークのスカンジナビアン・ハウスでは「LEGO® BRICKS A CELEBRATION」という特別展が開催されています。この特別展では、レゴ社の歴史とレゴブロックを使ったアート作品を発表しているショーン・ケニーさんの作品が紹介されています。素晴らい作品がたくさん紹介されていたので、一部をご紹介させていただきます。
まず、レゴ社の創立物語はデンマークで大工や家具の建具屋さんとして生計を立てていたオーレ・キアク・クリスチャンセンが、1916年頃から木工所で自動車やトラックなどの木製の玩具をつくるようになったことからはじまります。オーレ・キアク・クリスチャンセンさんは、火事による木工所の全焼や世界恐慌などを乗り越え、木工製品をつくり続けました。オーレ・キアク・クリスチャンセンさんはおもちゃの他にはしご、アイロン台、クリスマスツリー立てなども製作されたようです。
その後、息子のゴッドフレッドさんが一緒に働き始めるようになり、1934年には社名をデンマーク語で「よく遊べ」という意味の「LEG GODT」から社名をLEGO社とされたそうです。木製の玩具から当時流行してきた素材のプラスチックを取り入れ、プラスチック製の玩具をつくり始めるようになりました。そして、凹凸のあるブロックで相互に結合することができ、しかも簡単にとりはずすことのできるプラスチック製のレゴブロックを発売するようになったそうです。レゴ社のモットーは「Only the best is good enough」だそうですが、クラフトマンシップの志の高いオーレ・キアク・クリスチャンセンらしい言葉ですね。その後、レゴ社は確実に成長を遂げ、世界の中でトップメーカーとしての地位を築き上げてきました。
現在スカンジナビア・ハウスで開催されている「LEGO® BRICKS A CELEBRATION」のエグジビションは4月28日にはじまり、8月4日まで開催されています。レゴブロックの60周年を記念してこの特別展が開催されているそうです。
「LEGO® BRICKS A CELEBRATION」
58 Park Avenue New York, NY 10016
Phone: 212-779-3587
「LEGO® BRICKS A CELEBRATION」ではレゴブロックのアーティスト、ショーンさんの素晴らしい作品をたくさん鑑賞させていただきました。本当にレゴブロックで作ったんですか？という作品ばかりでした。この記事の一番上の親子で自転車に乗っている姿をあらわした作品は「Back from the Market with Mom」というタイトルで、ショーンさんのご家族がモデルだそうです。制作には700時間かかったそうですが、人物、自転車、かごすべてがレゴブロックで作られていました。表情も豊かで素晴らしい作品です。ポートレートもショーンさんご自身を含む家族の肖像です。
エグジビションの作品はどれも様々な形のレゴブロックを器用に組み合わせて、信じられないくらい精巧に作られています。野球場の作品も大作でした。本当にどの作品も、驚くほど繊細で表現力の高いものばかりです。
エグジビションの会場にはショーンさんご自身がいらしていたので、写真を撮らせていただきました。作品をブルックリンの街で運んでいらっしゃる様子もスマホで見せてくださいました。ショーンさんはニューヨークで活躍されているアーティストさんですが、レゴブロックの本も何冊か発行されていて人気だそうです。ショーンさんのウェブサイトでもレゴブロックの魅力がたくさん表現されているので是非ご覧になってみてください。
スカンジナビア・ハウスはマンハッタンのミッドタウン、グランドセントラル駅の側にあります。北欧5カ国とはアイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの５つの国を指し、スカンジナビア諸国と呼ばれています。スカンジナビア・ハウスでは5カ国の文化を紹介するイベントが開催されています。一階にはストアとスカンジナビア料理を楽しめるレストランが入っています。
「LEGO® BRICKS A CELEBRATION」では、日本の“モノづくり”に通じるレゴ社の考え方にあらためて共感をもち、レゴブロックの魅力を改めて強く感じるエグジビションでした。ニューヨークに住んでいる方、訪問される方に是非おススメのエグジビションです。
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