「まだ間に合う!」節税のためのIRAとRoth口座
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Tax Return締切が延長され、5月17日が迫りつつありますが、今回は節税策のひとつとしてIRAとRoth IRAを説明します。
「まだ間に合う!」とは、2021年度の5月17までに拠出すれば、IRAを2020年度のDeductionつまり損金として認めてくれるという意味です。またRoth も2020年度の拠出として、2020年の枠を使用できるのです。
1.Traditional IRA
通常IRAと呼ばれるこの制度は、税金を繰延して増やすことができる個人のリタイアメントアカウントです。一年間で拠出できる金額はひとり$6,000(50歳以上は$7,000)と決められています。この金額は、将来、年により変更される可能性があります。
特典のひとつは、税引き前の金額を拠出できることです。例えば年収が$70,000あったと仮定すると、$6,000をIRAに拠出することで、課税対象所得を$64,000に減額できます。言い換えれば、$6,000x税率分がこの年の税金の節約になったわけです。ひとりで$6,000ですので、夫婦で合計$12,000貯めることができます。
このIRA口座は非課税で増え続けますが、投資の側面がありますので、逆に減ってしまうリスクもあることを理解しないといけません。この期間はTax Deferredつまり税金が繰延されて、投資利益にも課税されません。
59歳半を過ぎるとペナルティなしで、引き出すことができます。引き出しをすると初めて課税がその年の本人の通常の所得税率(Ordinary Income Tax Rate)で発生します。しかし多くの場合は、給与所得はリタイアメント時には殆どの人がないと想定されます。もし現在の累進課税の制度が続くと仮定すると、引き出し時は低い税率で課税されると予想されるので、リタイアメント時に大変有利であると思われています。
IRAには、いくつかの制限があります。重要なポイントを選んで説明しましょう。読者の多くが401(k)という制度に入っているでしょう。401(k)も税引き前の金額を拠出できる制度です。自身が一定の所得レベルを超えなければ、401(k)でカバーされている本人も、そして配偶者もIRAに拠出することができます。つまり条件さえ満たせば、401(k)とIRAに同時に拠出できるのです。
雇用主が401(k)を社員に提供していても、自身の口座に自身の拠出や、会社からの拠出がなければ、401(k)にカバーされていることにはなりません。401(k)にカバーされている場合は、上記の所得での制限がありますが、そうでない場合は、高額の所得があってもIRAの拠出ができます。
2.Roth IRA
Roth IRAは、税引き後のお金を拠出する制度です。$6,000の金額を税引き後で出そうとしたら、税引き前の金額は、$6,000より大きくなります。上の図で「$6000に対する税金」の部分が支払わないといけない税金です。
税引き後で拠出された資金は、税金が課税されずに推移します。IRAと同じように税金が繰延されるわけです。
59歳半を超えて、引き出すときにRothの最大の利点が現れます。それは非課税であるという点です。リタイア後に引き出したときに、投資利益として増えた分には税金が課税されないのがRothの最大の利点になります。他にもRothは良い点が数多くありますが、筆者は投資利益が永久に課税されないのは、最大のメリットであると考えます。
この特典は、米国の税率が長い目で見るとあがると考える人や、リタイアメントエイジになったときに税金の負担を減らしたいという人にとても魅力的に見えるのです。
RothもIRA同様に、2021年度の4月15日までに拠出すれば、2020年度の拠出として認識できます。Deductibleではありませんので、課税所得が減るわけではありませんが、2020年度のRoth の枠を使うことができるのです。例えば2021年の4月に2020年度のRothと2021年のRothを二年分で$12,000貯めることもできるのです。ただし税務申告の提出期限が5
Rothにも所得制限があります。あまり高額所得者になるとRothは使えなくなります。
また401(k)にカバーされていることでの制限はありません。401(k)の有無にかかわらずRothの拠出ができます。こちらもメリットですね。
3.その他の重要事項
IRAとRothの拠出合計で$6,000(50歳以上は$7,000)が一人当たりの最大の拠出額です。ひとつに拠出すると、もう片方に拠出できないことはありません。両方に同時に拠出ができますが、合計額で制限があるわけです。
この記事では、IRAとRothのルールを全てを網羅はしていません。実際に開設する際は、必ずご自身の事情を良く説明したうえで専門の人(Financial Advisorや金融機関の担当者)としっかり相談してください。実はルールは複雑で多岐にわたります。
IRAやRothは米国の殆どの銀行や投資会社などの金融機関が扱っています。インターネットで検索すれば、お近くの金融機関で喜んで口座を開設してくれるはずです。ぜひご自身でこの節税の可能性を探っていただければ、筆者もこの記事を書いた甲斐があります。
この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
この記事に関してご質問は、CDH, P.C.まで、お気軽にお問い合わせください。
【執筆】
CDH, P.C.
プリンシパル
藤本光 (Koh Fujimoto)
Email:kfujimoto@cdhcpa.com
【プロフィール】
CDHプリンシパル、CPA, JD, Harbard Business Analytics
https://www.cdhcpa.com/our-team/hikaru-koh-fujimoto-bio/
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