転職・就職情報
アメリカでの採用で求められる6つのこと
NBAのスター選手ステファン・カリーの動画シリーズ「ステート・オブ・インスピレーション」で興味深い動画を見ました。インタビューの中で、ステファン・カリーはマイクロソフトのビル・ゲイツに、若い人達のために面接でよく聞かれる質問に答えて欲しいとお願いし、ビル・ゲイツがそれに答えるというものです。
ビル・ゲイツに投げかけた3つの質問は「私達はなぜあなたを採用しなければいけないのでしょうか?」「あなたの強みと弱みを教えてください」「この仕事に対してどのくらい給与を期待しますか?」というものでした。
これらの質問に対してビル・ゲイツは短い時間の中で、企業が候補者に求めているであろうことを自身の情熱を伝えながら明快に答えていきます。回答の内容ももちろん素晴らしいものですが、表情、声のトーンなどもとても参考になるので、是非一度ご視聴いただければと思います。
さて、採用では企業が候補者に求めていることと、候補者のスキルや考えにずれがあってはいけないということが基本です。そして、最高のパフォーマンスで、自分を高く売るプレゼンテーションの場である面接では「こういう人を求めていた!」と企業に思わせるように日頃から入念な準備をしておくことが大切です。今回は、アメリカの採用で企業が求めている6つの基本的なことについてまとめてみました。
1.キャリアと職務が一致しているか?
まずアメリカの採用で企業が真っ先に見るのは候補者のキャリアです。新卒の方であればどこの大学で、何を学んできたのかが見られています。また、GPAも重要な要素の一つですので、高い評価を得ている人は必ずレジュメに記載しましょう。一方、アメリカでの職歴のある方はどのような企業でどのような仕事をしてきたのかが一番の注目点となります。
アメリカでは、大学での専攻やこれまでの経験に沿って仕事をすることが前提となりますので、ITエンジニアはコンピューターサイエンスやインフォメーションテクノロジーなどを専攻した人または経験者が採用され、会計のポジションであれば会計を専攻した学生や経験者が採用されるというように、専攻や経験と職種は密接な関係にあります。
応募しているポジションで必要とされているスキルや経験は、自分にはこれだけあって、そのポジションにフィットしているということをレジュメや面接で最大限アピールしましょう。採用者はジョブディスクリプションの内容をこなすことができる知識やスキルをもった人を求めていますので、面接前にジョブディスクリプションをしっかりと理解して、アピールできる知識やスキル、経験についての考えをまとめ、いかに自分が候補者として最適な人物であることが証明できるように準備をしておきましょう。
2.即戦力を発揮できるか?
「人」を軸として行われる日本の採用とは違い、アメリカではジョブディスクリプションに則った「ポジション(職務)」が軸となる採用が行われます。ジョブディスクリプションでは仕事内容、タイトル、給与なども決められています。そして企業は、その内容をこなすことができる知識や経験、能力をもった人を採用することとなります。
つまり、ほとんどの採用では即戦力が求められているということとなります。
職歴のある方は、これまでの会社で行ってきた仕事の経験から知識やスキル、能力を証明することができますが、新卒の方の場合には専攻だけではなかなか証明することが難しくなります。そこでアメリカではインターンシップで業務知識を身につけ、コネクションをつくり、インターンから正規雇用へつなげる方も大勢いらっしゃるというわけです。
昨今、日本でもインターンシップを設ける企業が増えてきました。しかしながら日本では、大学生に夏休みなど短い期間に仕事や会社の雰囲気を経験してもらい興味をもってもらいたいという目的の会社が多く、即戦力を身につけるアメリカのインターンシップとは少し目的が異なるようです。
アメリカでの就職活動では、求職者はいかに自分に即戦力があるのか、入社後に結果を出すことができるかを証明することがカギとなります。
3.勤務開始時期は大丈夫?
アメリカでの採用は、欠員がでたら募集をかける欠員募集がほとんどです。日本のように新卒者を毎年4月に新入社員として大量に採用するような新卒採用はありません。ですから、タイミングが非常に大事です。退職者との引き継ぎがあるので来週から勤務開始のできる人を探しているなど、緊急で採用が行われるケースも珍しくありません。企業の希望の勤務開始日に間に合わない場合、採用は見送られてしまうこともありますので注意が必要です。
緊急の欠員募集の場合には、あなたのフットワークの良し悪しも見られています。たとえ引っ越しが伴う転職でも、最短で勤務ができるようベストを尽くしましょう。新卒の方は情報収集は早めに行うことをおすすめしますが、勤務開始日が決められていることが多いので、本格的な仕事探しはOPTの発行予定の数か月前から開始されるとよいでしょう。
4.一緒に働きたいと思える人物か?
キャリアや能力は申し分なくとも、企業のカルチャーにフィットしそうにない、他のスタッフと合わなそうと思われる人は採用が見送られることもあります。また、面接の時間に連絡もなく大幅に遅れてしまったり、服装や髪型などが非常に乱れていたりしていては印象がよくありませんので気をつけましょう。経験やスキルは業務を遂行するために最重要項目ですが、「一緒に働きたいと思える人物」であるかどうかというのも大切なポイントであることを忘れないでください。
5.採用するメリットはあるか?
新型コロナウイルスの影響で先が読めないということもあり、多くの企業は採用にとても慎重です。書類選考、面接、すべての過程において審査が厳しくなってきています。業務を単にこなしてくれる人材というだけでなく、その候補者を採用することで、会社のメリット(売り上げが上がる)があるかどうも見られています。個人のこれからの成長の可能性は会社の成長に直結します。ポジティブに積極的に、会社の明るい未来を一緒に切り拓いていける人物かどうかも見られていますので、念頭にいれて面接などに臨んでください。
6.アメリカで合法的に働けるか?
非移民として一時的にアメリカで就労するには必ずアメリカの就労ビザが必要となります。この就労ビザには労働の内容によっていくつかの種類があります。中でも、H-1Bビザは管理職以上でなければいけないというようなポジションの規定もなく、新卒者でも取得することが可能なため申請者の多い就労ビザです。
ビザのサポートをするかどうかは、採用する企業が決めることになります。ビザサポートのない求人の場合には、アメリカで合法的に働けることのできる方から採用が決定されます。ビザサポートの有無については募集の内容を確認する。またはクイックUSAまでご相談ください。
H-1Bビザにつきましては下記の記事をご参考にされてください。
・H-1Bビザについて、これだけは押さえておきたい7つのポイント
・H-1Bビザ申請等における賃金要件基準及び審査基準に関する新規則
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【バックナンバー】
No.1 日本の人事について、トランプ政権発足以降のビザ取得の状況
No.2 人事が知っておくべき高額医療/消費者保護法(CCPA)施行/感染症対策
No.3 コロナウィルス拡大で米国CDCも推奨「在宅勤務」について/シックリーブ
No.4 在宅勤務特集/在宅勤務に関するQ&A
No.5 コロナウイルスに関するQ&A/WiFiの規定/より快適な在宅勤務のコツ
No.6 CDC雇用者向けページを確認しよう/After COVID-19の訴訟について
No.7 ポスト・コロナの職場環境/ビザ取得の状況/WEB面接のコツ
No.8 出社への不安という理由/職場再開における適正な準備と手順
No.9 Return to Workのポリシーを作ろう/オフォス再開に関する一問一答
No.10 コロナ禍で考える「評価制度の構築」/ Don’t be silent ~アメリカの人事は差別との闘いであるから
No.11 移民法、雇用調整助成金(ERC)最新情報
No.12 失業保険の不正受給が急増/評価制度Q&A
No.13 職場におけるコロナ関連訴訟/ オフィス対策/ 感染テスト
No.14 ジョブ型?メンバーシップ型?/自主隔離を終了させる新たなガイドライン
No.15 CA州無給休暇と収入保障/強い企業になる
No.16 ポストコロナの新入社員研修/最新移民法/
No.17 訴訟が多いワースト10/コーチングの活用目的
No.18 緊急有給シックリーブ法の改定/リモートでのコミュニケーション
No.19 各州の雇用に必要な給与額/従業員が感染!会社としての対策とは
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【アメリカ人事・労務関連】
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・8月5日(水)「ウィズコロナ時代のHRベストプラクティス」ウェビナー開催!
・在宅勤務でどう対応?!マネジメントと評価制度ウェビナー(後日無料個別相談可)
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・【E,Lビザ】移民法ウェビナー(無料)開催!QUICK USA x S.W. Law Group
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