これさえ掴んでおけば怖くない!日米で使える面接マナー
ニューノーマル時代の到来と言われている昨今、何かのターニングポイントやビザの厳格化などの理由から、日本での就職を検討、もしくは具体的に進めている方もいらっしゃるかと思います。
今回は、そんな方々に向けて、また米国にある日系企業にも適用できる面接マナーやコツを筆者の経験も通してお伝えしていければと思います。
そもそも企業側の面接の目的とは「自社で本当に活躍できるのか」を見極めるための機会となります。
経験や知識や熱意、社風や一緒に働く仲間とフィットするか、自己成長を期待できるかなど書類だけでは確認しきれない、適性や資質、能力を直接会話をすることによって確認するために行います。
そんな面接を通過するためのポイントをいくつかの項目ごとにお伝えしていきます。
事前準備について
・時間厳守
10分前には会社の前に到着し、5分前には受付に向いましょう。
遅刻は厳禁。1分でも遅刻すればマイナスの印象からのスタートになります。
余裕を持って出発し、万がいち遅れてしまいそうな場合は、遅れると分かった時点ですみやかに会社に連絡しましょう。
その際に、すぐに連絡をとれるように面接企業の電話番号やアドレスはメモなどしておくことをおススメします。
また、オフィスビルによっては、セキュリティチェックや入館証明をもらうために時間がかかる場合があります。
何十社が入る大きなビルは、時間帯によっては来訪者が受付ロビーで列をなしていることがあります。
その場合は臨機応変に早めに受付をすませておきましょう。
余裕を持って現地に着くことで、面接に向けて心の準備をすることもできます。
とは言え、早く着いたからといって早く受付をすませすぎるのもNGです。
面接官を焦らせてしまったり、 面接場所が先約で埋まっていたりするからです。
WEB面接でも同様に、指定時刻に接続できるように、事前に接続方法の確認とリハーサルをしておきましょう。
あまりにも待たせてしまうと、確認を怠る人やITリテラシーが低い人と思われてしまう可能性があります。(ITリテラシーについてはこちらの記事もご参照ください)
・身だしなみ
面接時はスーツ着用をおススメします。職種や会社の風土はありますが、企業から指示がない場合はスーツを着用した方が無難です。
ただし、帰国後や渡米後すぐなどでスーツが無い場合は、事前に私服でも可能か企業に確認しておくといいかもしれません。
私服の場合は、ビジネスカジュアルが良いです。趣味が色濃くでるファッションは、面接官によけいな先入観を与えてしまう可能性があります。
スーツでも私服でも、または髪型や化粧にしても大切なのは清潔感。衣服のシワや靴の汚れや寝グセのチェック、派手過ぎない化粧がおススメです。
また、外見だけでなく匂いも同様です。香水や整髪料をつけるのであれば匂いがきつくないものに。面接直前にタバコを吸うのもやめましょう。
自分が思っている以上に匂いは、相手に様々な印象を持たせます。
WEB面接の場合は家の中が映り込みます。
背景は壁が無難ですが、難しい場合は片付けなどして映り込んでも問題のない(背景に注目がいかない)状態にしておきましょう。
・面接時の質問内容の準備
面接時に良く聞かれる内容としては、自己紹介・PR、志望動機、長所・短所、成功・挫折体験、キャリアパスなどです。
ご自身の経験や価値観の棚卸や職務経歴の記憶。想定される質問への回答や深堀質問をされたときのなどの事前準備は必要不可欠です。
また志望動機の確認のために会社の理解度を確かめられることもありますので、最低でも公式HPを確認し、企業理念や事業内容、売上高、サービスの特徴や強みは頭に入れておきましょう。
余裕があれば、プレスリリースやIR情報などにも目を通して会社の方向性なども頭にいれておくと尚良いです。
ここでは特に応募者から面接官への質問についてご紹介します。
面接の最後に、「質問はありますか?」と聞かれることがほとんどです。
ここで「特にありません。」という回答は、やる気を感じない。自発性に欠けると面接官に取られることも多いのでもったいないです。
結果的に質問する必要がなかったとしても必ず事前に準備をしておきましょう。
逆にアピールの場になったり、場合によっては挽回できるチャンスや他の応募者との差別化にもなります。
ただし、下記の質問には要注意です。
1.HPなどで事前に調べれば誰でもわかる質問(事前準備が悪いと思われる可能性があります)
2.面接時に既に説明があった質問(話を聞いていない人と思われる可能性があります)
3.給与・休日・有給消化・残業など条件のみの質問(会社や仕事内容より条件重視で就職先を判断していると印象を持たれるため最小限にするか他の質問とセットが好ましいです。)
4.面接官が分からないような質問(必ずしも上司となる方=面接官ではなく、役職や立場や面接地と勤務場所が違う場合などは詳細を把握していない場合もあるため 。)
いい質問(参考例)
・やる気を伝える質問 前職で〇〇の経験を積みましたが、御社にとって、もし足りない経験や必要とされるスキルがあればお教えください。
・責任感を伝える質問 メンバーの育成のために、〇〇や〇〇するということを自ら率先していましたが、ほかに御社で求められることはありますか?
・協調性を伝える質問 職場の良い雰囲気を作り出すよう〇〇を心掛けておりましたが、御社の社内の雰囲気はどのような感じでしょうか?
・SNSの整理整頓
求職者が企業の口コミサイトを確認するのと同様に、企業も求職者のSNSを確認することが多くなっています。
企業にとってリスクになるような行動や発信をする傾向はないか。自己紹介通りの人となりかなどを確認します。時には採用・不採用の判断にすることもあります。
面接前の書類選考の時点で確認する場合もあるので、応募前に自身のSNSを確認して、必要に応じて整理整頓するかロックするなどしておくことをおススメします。
※参考までに日本企業おススメ口コミサイトは以下となります。
・openwork(旧:Vorkers)
・転職会議
・Lighthouse(旧:カイシャの評判)
実践について
・立って面接官を出迎える
応募者が部屋で先に待っていて、あとに面接官が部屋に入ってくるケースが多いと思います。
部屋のドアのノックが聞こえたら椅子から立ちあがり、面接官が自分の反対側まで来たらしっかりと挨拶をしましょう。
面接官がおかけ下さい。と言われたら着席します。
もちろん座ったままの挨拶もNOではないのですが、日本は礼節を重んじます。
無駄な減点にならないように心がけましょう。
・面接官の名前を覚えて呼んでみる
会話の中で相手の名前を意識的に呼ぶことにより好印象や親近感を与えたり、相手の警戒心をとき場を和ませる効果があります。
使い過ぎて馴れ馴れしくならないようにするのが前提ですが、これは面接時でも言えることです。
通常、面接官からも自己紹介があるのと思うのでしっかりと記憶しておきましょう。
面接官から自己紹介があったあとに、「〇〇様、自己紹介ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。」と、名前を最初に呼んで返答するのも自身の記憶に残し、更には面接官に良い印象を与えられる1つの方法です。
応募者からの面接官への逆質問のシーンでも使いやすいです。
例えば、〇〇さんがこの仕事において一番やりがいを感じるときはどのような瞬間ですか?
または、〇〇さんが会社の好きなところを3つあげるとしたらどのようなところですか?
など、名前+パーソナルな質問を1つしてみるのもおススメです。
・話し方・聞き方
話し方
聞かれた質問に対して、「端的に結論を最初に伝え、その後に理由を述べる。」です。
意外に多いのが、一方的にしゃべり過ぎてしまい結局何が言いたいのか分からない。
またはしゃべっているうちに質問内容を忘れて、そもそもの質問に答えられていないことです。
こうなってしまうとコミュニケーション能力に欠けると判断されてしまいます。
まずは質問に答える。そのために聞かれた質問に対して「端的に結論を最初に伝え、その後に理由を述べる」です。
これを繰り返すことで会話のやりとりがスムーズになり、コミュニケーション能力の面でもいい印象を与えます。
面接は時間は限られていますし、ビジネスの場では結論ファーストが基本的なマナーです。
聞き方
目を見て話を聞き、うなずいたりをあいづちを打ち、笑顔も忘れずに。
また面接官が話をするときは背筋を伸ばして姿勢を正すのも、あなたの話を一生懸命聞いているということを相手に伝えられます。
やり過ぎてしまうとと逆効果になるので適度にしましょう。面接官に今日の応募者は面接をやりやすかったなと思ってもらうのも内定獲得の立派な近道です。
もう一つのポイントはメモをとることです。
メモをとることによって、熱心でマメ、仕事中もしっかりとメモをとる習慣があるのでは。というプラスの印象を与えられます。
ただし、メモを取るのに夢中になるのはNGです。あくまで会話が主体ですので必要なポイントだけをメモを取りましょう。
場合によってはメモをとる必要がないことがありますが、ノートまたは手帳とボールペンは必ず持参しましょう。
ひと言、「メモを取ってよろしいですか」と面接官に確認するのもいいですし、事前に机の上に置いていても問題ありません。
また、事前に考えた質問内容をメモしておくのも効果的です。質問内容を忘れることを防せぐことができますし、ちゃんと準備をしてきているなと面接官に思ってもらえます。
退出時
面接終了時には、本日のお礼を伝えお辞儀をして退出しましょう。
面接官にエントランスやエレベーターホールまで送っていただけるケースも多いですが面接官は部屋に残り一人で退出する場合には、ドアの前で面接官の方を向いて「失礼いたします」と一礼し、ドアを閉める際も面接官の方を向いてドアを閉めましょう。
マナーがしっかりできていれば入社後もお客様先や上司も前でも問題ないと安心材料となります。
退出時に、社内で従業員の方とすれ違ったら元気よく挨拶をしましょう。面接官から従業員に応募者の印象を聞く場合もありますし、従業員から面接官に応募者の印象を伝えることもあります。
面接後について
・お礼のメール、またはお礼のはがき、お礼状
人事ご担当者の方、もしくは面接官の方の連絡先が分かればお礼メールを送信してみましょう。
ここでのポイントは、気が利く人だなと感じてもらうためなので「短め」にです。
簡単なお礼と面接時のポジティブな感想や印象を1つだけ添えて、相手からの返信が必要ない内容にしましょう。
このメールで挽回しすぎようとして文面が長かったり、返信が必要な内容にしてしまうと逆効果になる場合もあるので注意が必要です。
意外に心に響くのは手書きのハガキやお礼状。今の時代だからこそです。特に面接官が社長の場合などはより効果が期待できます。
到着までに時間がかかるというのは難点ですが、思い切って活用してみるのも良いと思います。
いかがでしたでしょうか。アメリカとも共通することも多い一方、日本は礼節や協調性、
空気を読む力を求められる傾向があります。もちろん一概には言えませんし良し悪しの話でもありません。
皆様のアメリカでの就労経験や語学力に、日本の企業で求められるポイントをわかっていれば、とても大きな強みになります。
特にアメリカでの就労経験の方が長い方や日本で働くのが久しぶりという方には今回のお話は特に参考にしていただけたら幸いです。
QUICK USAでは日本でのお仕事も含め様々な相談も随時受け付けておりますので、是非お気軽にご相談下さい。
【執筆】
吉田 義 (Tadashi Yoshida)
General Manager
QUICK USA, Inc.
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