採用面接で企業が求める「リーダーシップ」とは

採用面接で企業が求める「リーダーシップ」とは

リーダーシップをもって仕事ができる人を採用したいという企業が多くなってきています。近年、ビジネスの世界での時流は速く、短期間で大きな変化が起こることも少なくなく、こうした変化の時代に対応するためにも、常にリーダーシップを発揮して仕事に取り組める人材が求められているようです。

役職としてリーダー役に就いた経験がなくても、面接官にこの人はリーダーシップの素養がある、入社して貢献してくれる、と感じてもらうためにも、企業が求めるリーダーシップとはどういうものかについて理解しておきましょう。

リーダーシップとは

リーダーシップ（Leadership）は.一言で言うと人や組織を率いることです。目標に向かって組織をその方向へ導いていく能力のことを言います。一般的なリーダーシップのイメージは、大統領や知事、企業であれば経営者や管理職、学校であれば校長など、組織を率いる特別な人が発揮する力という認識が強いかと思いますが、最近では、メンバー全員がもつべきスキルであり、経営者などのトップでなくても、チームが高いアウトプットを生むために全員が発揮すべきスキルだと考えられるようになってきました。

つまりこの場合のリーダーシップとはカリスマ性を発揮し集団を率いたり、単なる役職を意味するのではなく、チームの目標を達成したり、前進することに自らが貢献する行動をとれることをリーダーシップと捉えられています。

なぜ企業はリーダーシップのある人を求めているのか

「出る杭は打たれる」ということわざがあるように、自発的に行動を起こすことをよいこととせず、言われたことだけをやっておけばよいという雰囲気の会社もまだまだあるかと思います。しかし、目まぐるしく変化していく社会の中では、言われたことをやっていればいいという時代ではなくなってきています。

リーダーからの指示待ちでしか仕事のできない人は最低限の仕事しかできません。一方、自分で立てた目標に対して、周りの人にプラスの良い影響を与えながら、主体的に仕事に取り組むことのできる人は、企業の発展に大きく貢献することがわかっています。

リーダーシップは組織の成長に必要不可欠なもので、チームリーダーとチームメンバーがそれぞれの役割を最大限に発揮すれば、生産性が向上し、会社を成長させることができます。会社には常にリーダーシップを発揮してもらって解決したい課題は山のようにあります。現代の企業が求めるのは、リーダーシップをもって自ら動いたり、人を巻き込んでいく力を発揮できる人なのです。

リーダーシップに必要な８つの能力

リーダーシップの素養をもつ人は、人から指図を受けなくても率先して人の前に立ち、チームを目標に導いていこうとします。自身を成長させたいという向上心や目標達成意欲が高く、難しい課題や問題にあえて取り組んだり挑戦することに努力を惜しみません。また、メンバーと共にわくわくできるような向かうべきビジョンをつくり、意見を交換できるような環境づくりも積極的に行います。

ここではリーダーシップに必要不可欠な８つの要素についてみていきたいと思います。成果を出すためのリーダーシップには以下の要素があります。

１．ビジョンとコンセプトの設定能力

組織が目的を達成するためにはビジョンとコンセプトが必要です。組織のミッションに沿ってチームが目指す未来の姿であるビジョンと描いたビジョンを実現させるためのコンセプトづくり（いまやるべきこと）が設定できる能力が必要です。

２．目標設定能力

業務やプロジェクトを進めていくには、目標を設定することが必要です。目標を設定しなければどこに向かって進んでいるのかわからないからです。目標達成のための計画を立て、適切な目標を設定する力はリーダーシップに必要不可欠な要素の一つです。

３．戦略立案能力

ビジネスを成功させるカギが「戦略」です。戦略がない状態では、目の前の問題に場当たり的に対応することになりかねません。目標に向けて実行していくために、適切な戦略を立てる力が必要です。

４．分析力

分析力とは、物事を要素ごとにわけて、成り立ちや構成している要素を細部まで明確にすることをいいます。最善の改善策を立てるためにも、現状分析、問題や課題の原因分析、評価分析など、分析力が必要です。

５．コミュニケ―ション能力

プロジェクトや業務を成功に導くために、メンバーや外部の人達と連携をとる必要があります。また、メンバーの満足感やモチベーションを高めなければ効率が下がりますので、周囲とのコミュニケーションを円滑にするスキルはとても大切です。

６．判断力

小さなことから大きなことまで、仕事を進めていく際には、判断しなければならないことが山のようにあります。物事を正しく認識し、評価する判断力は、リーダーシップには欠かせない要素です。

７．実行力

リーダーは目標・基準・優先順位などを定めるとともに、メンバーの手本となって自らが行動する必要があります。段取りを決めて物事を遂行する実行力はエッセンシャルです。

８．責任をとる能力

リーダーはスタッフの行動を支援しながら、一番の責任をもつことが必要とされています。また、リーダーとしての仕事をしてメンバーに対する責任をもつことで、最終的にメンバーからの信頼を得ることができます。

採用面接で試されるリーダーシップ

面接官がリーダーシップ能力を見極める方法として、一番用いられる方法はリーダーシップ能力を発揮したと思われる具体的なエピソードについての質問です。過去にどのようなリーダーシップ力を発揮し、それによってどのくらい成果が得られ、どのような課題を解決できたのかを具体的に掘り下げていきます。例えばこんな質問が考えられます。

「あなたのリーダーシップについてのお考えを教えてください」

「リーダーシップを発揮したエピソードについてお聞かせください」

「リーダーシップを発揮してどのような成果が得られたか具体的に教えてください」

「良いリーダーシップ、悪いリーダーシップとはどのようなものだと思いますか？」

面接官はまず事実にもとづき、候補者がどのようなリーダーシップを発揮する人物なのかを捉えたいと考えます。また、候補者が過去の体験でどのようなリーダーシップの能力を発揮できたのか。自己評価や他の人からの評価などを聞くことにより、客観的な評価を判断したいと思っています。

リーダーシップの質問にどう答えるか？

まずリーダーシップの質問があった場合、面接官の意図を理解しましょう。学生の方も社会人の方も、役職のことを聞かれているのではなく、あなたの組織に対する考え方や、プラスの成果をもたらすためにどのようなリーダーシップを発揮したのかという具体的な事実が求められているということを考えながら回答してください。

リーダーシップは指示まちではなく、主体的に行動できることです。先にリーダーシップの要素をあげましたが、面接官は「目標を明確に設定することができたか」「メンバーをまとめる能力があるか」「物事を適切に推進していくことができるか」「重要な局面で判断する力があるか」「実行、分析、改善する能力があるか」「物事を最後まで貫き完結させる責任感や目標達成意欲があるか」「結果に対して責任をもつ姿勢があるか」などを見ています。

リーダーシップに関する質問は、先にいくつか例をあげましたが、面接官が見ているポイントをおさえながら、あなた自身の人格や価値観をリーダーシップに関連づけながら具体的にかつ簡潔に回答していくことが大切です。

（質問と回答例）

Q.あなたのリーダーシップについてのお考えを教えてください。

A.リーダーシップとは、チームの目標を達成したり、前進することに自らが貢献する行動をとれることをさしているかと思います。必要な資質としては目標設定、行動力、分析力などさまざまな要素が必要とされますが、私はリーダーとして最も大切なのは、重要な局面での判断力と推進している物事に対して責任をもつことだと考えています。

B.私はメンバーの意見をまとめながら、行動力をもって一つの目標を達成するために導いていくことがリーダーシップだと考えます。目標を達成するためには計画が必要ですが、常に分析を行い改善が必要であればスピーディーに対応することが必要です。チームメンバーのモチベーションをあげながら目標達成を実現させるのもリーダーとしての責任かと思います。

コンピテンシーを念頭におきながら面接に臨みましょう

以前の記事「採用面接に導入する企業も増加中！コンピテンシー面接に備えましょう」でお話ししましたが、コンピテンシー面接を取り入れる企業が増えています。

コンピテンシーとは、高い業績や評価されるような成果を出す人に共通してみられる行動特性を指します。コンピテンシーは、一見しただけではわかりづらいものですが、高い業績や評価をあげたハイパフォーマーがそのような業績を上げるために「どういう考えをもち、どのような行動をしているか」「どのようなことを常に意識しているのか」など、各企業では職種に分けてハイパフォーマーの思考や行動が分析されています。

例えば今回のテーマの「リーダーシップ」について。ある企業では「リーダーシップ」について採用基準である優秀な社員との行動特性に近いか、組織にフィットしやすいかなどの判断をされる場合があるかもしれません。前述で挙げたような質問を面接官より受けたら、論理的にかつ具体的にお答えください。コンピテンシー面接では、質問の回答に対してどんどん深く掘り下げていきますので、矛盾がないようにしっかり質問を把握し、論理的に回答を組み立ててください。また、過去の実例を紹介しながら回答する場合には数字をあげて証明するのが効果的です。面接官に、高い成果を達成させる行動特性をもっていることをしっかりアピールしてください。

コンピテンシー面接に関しては、是非こちらの記事を参考にされてください。

「採用面接に導入する企業も増加中！コンピテンシー面接に備えましょう」

https://919usanews.com/posting/competency/

また、面接対策に欠かせない自己分析については下記記事を参考にされてください。

アメリカ就職、転職活動の最重要事項！【自己分析と他己分析】Part1

アメリカ就職、転職活動の最重要事項！【自己分析と他己分析】Part2

https://919usanews.com/posting/self-analysis-part2/

リーダーシップは数あるスキルの中でも、重要なスキルとして捉える企業が増えています。しっかり把握して、基礎的な能力を身につけておくようにしましょう。

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