人事評価制度ウェビナーでの質問への回答
7月9日に開催されたQuick USA社 x Kintone社共催のウェビナーに登壇をさせて頂いた際に寄せられたご質問への回答を致します。
Q1.弊社は工場のある製造会社のため、ブルーカラー社員が多くいます。 何かを案内する際は会社のEメールアドレスもない上、英語だけではなくスペイン語での2か国語表記と手間がかかります。CDCやOSHAなどのコロナ関連のサインを多く掲載しているも、数の多さに掲示物を見てくれる社員も減ってきています。会社のEメールがないブルーカラー社員も含めて社内で効率良く情報を共有できる方法があれば教えていただきたいです。
A1.法律に則った情報提供を行うために職場内にきちんと掲示をしている現状の対応は素晴らしいです。今後、情報伝達方法の効率化を図る上で考えられる工夫としては以下の4つが挙げられます。
1.E-mailアドレスを提供して、情報のUpdateを行う
2.Face to Faceの会議を隔週、もしくは重要な情報が更新された際に設定する
3.Mobile Platform(アプリ)を使用する
4.Digital Screen/Digital Signageのような、電子看板を設置する
能動的に掲示板まで行かないと情報の更新がされないという状況を、受動的に情報が入る、もしくは能動的であってもより目に入りやすい環境にすることが考えられます。
Q2.弊社は現在リモートワークは強い社員の希望がない限り行っておりません。極力オフィスへ戻す形で対策を取っております。以前にリモートワークを頻繁に希望する社員のリモートワーク中のパフォーマンスが落ちていると報告が上がりました。自宅で長く業務をしていると色々な理由で無意識にパフォーマンス低下が始まってしまうのかもしれません。このパフォーマンス低下を防ぐために、どのような対策が良いのでしょうか?
A2.在宅勤務におけるパフォーマンス低下の理由としては、集中しづらい、モチベーションが低下する等が考えられますが、基本的にはオフィスに出社をしている際にも同様の特性があったかと思います。出社をしていた際には見えにくかった行動上の問題点が、在宅勤務では顕著にみられるようになったということです。
対応としては、業務プロセスを可視化し、進捗具合をモニターしてゆくことが考えられますが、パフォーマンスが低下してきているのであれば、まずはその点を従業員に伝えることが重要です。
意図せず行っていたコミュニケーションが取れなくなり、会社との意識面での結びつきが薄れ、モチベーションが低下することも十分考えられます。マネージメントから積極的にコミュニケーションをとるようにすることも重要と考えます。
Q3.リモートワークを永続的に導入する場合の人事制度について 役職や職能、入社歴などに応じ「リモートワークを選択できる」ように制度変更を検討中です。 評価制度(時間ではなく成果、プロセスではなく結果で評価)をどう整備すべきか? 新入社員(新卒に限らず)が入った場合の教育をどうすべきか? が主な課題であると感じており、アドバイスいただけると幸いです。
A3.まずは評価を行う目的を検討してみてください。目的を決めたら、目的に沿ったゴール設定、評価頻度等を決定することになります。評価制度の構築や整備自体は目的ではなく、評価制度によって何を図りたいのかという点が重要であると考えます。各従業員やポジションに適切なゴール設定を行うと、ゴール達成に必要なアクションプランが見えてくると思います。
「新入社員の教育」の意味合いによって回答が異なりますが、一般的には新入社員の教育を行う機会として、オリエンテーションとオンボーディングプロセスが考えられます。前者は適切な書類の整備、後者はプログラムを構築してみてはいかがでしょうか。OJT(On the Job Training)ということでしたら、ゴールを踏まえながら(先日のセミナーで言及した人事評価の目的をプロジェクトの進捗状況確認として捉え)プロセスや進捗状況を定期的に確認するため、レビューを高頻度で行うという方法が良いかもしれません。
Q4.管理部門(総務、人事)の評価についての質問です。特にルーティンワーク従業員の評価については、リモート(例:評価者(上司)はリモート、総務担当者はオフィス)になりますと業務プロセス部分の評価ポイントが難しいと感じています。このようなケースはどのような評価方法がいいでしょうか?具体例があればご教示ください。
A4.評価者と部下の方が別の場所にいるという点で難しさがあるのか、他の要因によるものかを見極めることをお勧めします。一緒の場所で働いていたとしても評価軸や評価基準、ゴール設定が明確ではない場合は適切な評価をすることが難しいためです。
ゴール設定をSMARTのような方法を利用し、プロセス(中間目標や途中までの成果)が分かるような形で設定をしてみてはいかがでしょうか。
Q5.今回のコロナの影響を受けてテレワークとなった現時点でのMBO・コミッション制・幹部候補生教育の導入の可否について。
A5.導入は可能です。色々なプログラムやシステムに関しては、導入するべきタイミングは会社の経営判断であり、会社にとって導入することがプラスに働くのであれば、いつから導入しても良いのではないかと考えます。
人事評価の目的を考慮する際と同様、
Q6.テレワーク導入において、会社が社員の評価制度として仮にMBO(目標管理制度)を導入するとなった場合、どのようなメリット、デメリットが発生するのか。また、MBOを導入する場合、気を付ける点、また効果的な導入方法があれば紹介していただきたい。
A6.MBOは本来は管理職から管理をされるのではなくて、従業員さんがご自身でゴールの管理を行うことで自身の業務やゴールに責任を持つ事でモチベーションを維持することを意図しています。
但し、目標管理制度という点でMBO含めた人事評価制度を導入するのであれば行うメリットは大きいと感じます。但し、まずは「何を目的にする評価制度なのか」という点が検討事項です。
「メリット」:
・企業・従業員双方で業務水準、目標設定が明確になる。そしてコミュニケーションを図るツールとなる。
「デメリット」:
・目標設定を明確にしないと、モチベーションが低下する可能性がある。
評価の目的、目標設定、レビュー頻度等、明確に設定をすればメリットの方が大きいです。
Q7.リモートワーク下での営業担当者の考課における変更点留意点についてお聞きしたいです。
A7.従業員の個人目標が明確に設定されており、かつCOVID-19で会社の売上が影響を受けているのであれば、目標設定を修正する必要はあるでしょう。
顧客訪問をなかなか行うことができない現状ですので、現実的に行えることを目標設定にすることも検討するべきかと思います。
営業職に関わらず、業務内容が変更されているのであれば、あわせて目標設定も変更・修正をすることが重要です。
Q8.評価制度は社員に渡しておくべきでしょうか?レビューの際、一緒に見ながら話をしておりますが社情報の観点から社員に渡すということはしておりません。
A8.提供をすることが望ましく、また、多くの企業では提供しています。評価表は会社や上司から従業員に対するフィードバックが記載されている書類のため、渡した上で内容を理解をしてもらうことが最善です。
※この記事はHR Linqs, Inc.のウェブ・サイトでもご閲覧可能です。この記事に関してのご質問は、HR Linqs, Inc.まで、お気軽にお問い合わせください。
【執筆】
President & CEO
榊原 将
Sho Sakakibara
155 N. Lake Avenue, 8th Fl. Pasadena, CA 91101
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