DECAX（デキャックス）とは？意味、注目される理由について

マーケティング

DECAX（デキャックス）とは？意味、注目される理由について

みなさんはDECAXという言葉を耳にされたことはあるでしょうか？

AIDMAやAISASは知っているけれど、DECAXは初めて聞いたという方もいらっしゃるかと思います。DECAX（デキャックス）とは、SNSが台頭している新時代における消費者行動モデルの一つです。就職や転職活動においてもDECAXの概念を知っていれば、面接などで役に立つかもしれません。今回は、DECAXとは何か？意味やなぜ重要なのかなどをみていきたいと思います。

DECAXとは

DECAXとは、2015年に電通デジタルの内藤敦之さんにより考案、提唱された概念です。発見（Discovery）、関係構築（Engagement）、確認（Check）、購買・行動（Action）、体験と共有（eXperience）の5つの単語から１文字をとった、コンテンツマーケティング時代の消費者行動モデルになります。まず初めに、それぞれの意味を見ていきましょう。

Discovery（発見）

DECAXの消費者行動モデルでは、消費者が商品やサービスなど何かしらに関心をもち、Google検索やSNSでそのコンテンツを発見することから購買や行動がはじまります。この発見のプロセスが企業と消費者の最初の接点になります。DECAXではユーザーが自発的に情報収集を行うことで成約につながると考えられています。

Engagement（関係構築）

消費者がコンテンツを発見し、その情報をきっかけに情報発信者と関係を構築していく段階をさします。オウンドメディア、メルマガ、YouTube、SNSなどを通じて複数回にわたり、消費者が商品やサービスに接触し、登録などの行動をとるなど企業と長期的な関係を構築していきます。

Check（確認）

消費者との関係が構築できたとしても、必ずしも商品やサービスを購入したり利用するとは限りません。消費者は企業など情報の発信元との関係を深めている間に、発信される情報に対して、「自分にとって役に立つか」「信頼できるか」などの確認を行っています。

Action（購買・行動）

消費者は十分な確認を繰り返し行うことで、企業などの情報発信者との関係性が十分深まっています。消費者はこの段階では商品やサービスを納得して購入、利用する準備が整っています。

Experience(体験と共有)

消費者が商品やサービスを購入、利用する段階です。SNSが到来した新時代では、利用体験や評判をSNSでシェアしたり、How-toコンテンツの発信などによって情報は拡散されていきます。良い評価が広まれば見込み客も増えていきますので、情報発信者（企業）は消費者に、継続して購入、利用してもらえるような工夫をするとともにレビューにも敏感になる必要があります。

DECAXが注目される理由

現代社会では検索やSNSで消費者自身が商品やサービスを発見することも多くなっています。そこで企業は「消費者にどうやって商品やサービスを発見してもらうか」「消費者とどのように良好な関係づくりしていくか」ということをマーケティング施策として考えていかなければならなくなっています。

また、消費者は簡単に欲しい情報を手に入れるだけではなく、手軽に発信することも当たり前になっていますので、企業は消費者主体のマーケティング戦略を立案することがますます重要になってきています。

DECAXと他の消費者行動モデルとの違い

消費者行動モデルには、マスメディアを主としたAIDMA（アイドマ）、インターネットでの検索を軸にしたAISAS（アイサス）、ネット検索からの比較検討のモデルAISCEAS（アイセアス）などがあります。

DECAXとAISAS、AISCEASの違いは視点です。DECAXは企業ではなく消費者視点で行動分析を行います。商品やサービスの違いやマーケティング施策によってモデルは変わってきますので、他の消費者行動モデルについてもおさらいしておきましょう。

AIDMA（アイドマ）

マーケティングを勉強した人なら知らない人はいないくらい有名なモデルです。AIDMAは1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱された概念で、Attention（注意）、Interest（関心）、Desire（欲求）、Memory（記憶）、Action（行動）の単語の頭文字をとっています。マスメディアなどの広告などから商品やサービスについて知るAttention、興味をもつInterest、その商品やサービスを欲しいという欲求が高まるDesire、その消費やサービスを記憶に刻むMemory、商品やサービスを購買、利用するという行動を起こすActionという流れに沿って消費者行動は行われるという概念です。

AISAS（アイサス）

AISASはインターネットが普及した現在の消費者行動にあてはめたもので電通が提唱したモデルです。Attention（注意）、Interest（関心）、Search（検索）、Action（行動）、Share（共有）の単語の頭文字からできています。Attention、Interestまでの動きはAIDMAと一緒ですが、インターネットの普及した現代の消費者は、気になった商品やサービスの情報をグーグルやヤフー、SNSなどで検索し、より多くの情報を得ようとする行動を起こします（Search）。また商品やサービスを購入、利用した消費者やインターネットやSNSで使い勝手や満足度などをShareで情報共有するというところがAIDMAとは異なります。

AISCEAS（アイセアス）

アイシーズとも読まれることもあるAISCEAS。アンヴィコミュニケーションズの望野和美氏が提唱した概念で、AISASと同様にインターネット時代における消費者行動モデルとなります。AISCEAS のプロセスでは、Attention（注意）、Interest（関心）、Search（検索）、Comparison（比較）、Examination（検討）、Action（行動）、Share（共有）の7つがあるとされています。AISASと比較して、Comparison「Searchで発見した商品やサービスを比較する」というプロセスと、Examinationは「どの商品やサービスを購入、利用するのか検討する」というプロセスが含まれています。

DECAXを見据えたマーケティング戦略を成功させるポイント

まず、消費者が気になる商品やサービスを検索しても情報がネットなどでヒットしなければまったく消費者に知られることはありません。SEO対策やコンテンツマーケティングなどで消費者に見つけてもらうよう工夫することが大切です。リスティング広告などを実施するのも有効でしょう。

次に、会社のアカウントをフォローしてもらったり、メルマガ等の登録をしてもらっても、知りたい情報を発信しなかったり、いかにも広告だとわかるような情報ばかりでは、消費者の心は離れてしまいます。定期的な情報発信と消費者の興味を引く情報の発信を心がけます。

消費者が商品を購入したいと思った時に購入のページが別にあったり、申込方法が複雑であるとせっかくの購入機会を逃してしまうかもしれません。購入ボタンを商品の近くに設置し、消費者がスムーズに購入できるよう工夫をしましょう。また、購入後のフォローとしてレビュー投稿のインセンティブを設置したり、いいね数をある一定の数を獲得すると特典を与えるというような設定をするのも有効でしょう。

これからの時代はますますDXが進み、新たなツールの開発や社会の変化により消費者の購買行動も変化していきます。DECAXという消費者視点のプル型の消費者行動モデルの理解を深め、仕事に転職活動に役立ててください。